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マツダがさりげなく披露した「ティーザー車両」 その正体は?
目を惹きつける2枚のティーザー写真は、「マツダ ビジョン スタディ」の写真で、先週、丸本明社長が2030年までの戦略と電動化の計画を発表し、従来の「中期経営計画」を見直し、電動化を加速させると話した時、さりげなく見せたのだ。
まったく予想外の発表。これは、マツダがちょうど5代目ロードスターのデザインを完成させようとしているタイミングながら RX コンセプトの更新版という可能性もある。しかし、この車両が何なのかわからない、というのが最大の ”ティーズ”(じらし)だ。
このモデルはマツダの2030年計画の代表的なモデルとして提案されたものの、それについての情報は発表されず、リアルワールドに存在するモデルである証拠もなかった。まあ、デザイン・スタディではよくあることだけどね。
ティーザー画像を使って次世代モデルをアピールするなら、その車両はそれに値するものでなければならない。つまり、普通の平凡なセダンとかSUVの次世代版なら、ティーザー画像を使って欲しくない。今回のマツダのティーザーは、間違いなく期待する価値がある。
2枚のティーザー画像を見るやいなや、さっそく世界のメディアは大騒ぎで、その正体の推測を始めた。次世代のロードスターなのか、それとも RX-7 か RX-8 の後継車なのか? 結局、どのクルマとして現れても、その外観は素晴らしいので、是非ともそのスタイリングを変えないでほしい。
ここ数年、マツダは目を惹きつけるスポーツカーのコンセプトを披露してきた。中でも最も目立ったのが、2016年にパリで開催された第 31 回フェスティバル オートモービル インターナショナルで「最も美しいコンセプトカー賞」を受賞した「RX-Vision」だった。そのコンセプトカーは、2012 年にRX-8 の終焉とともに廃止された「RX」系統が復活する可能性をほのめかした。
RX-Vision はロータリー エンジンを使用したけど、次世代モデルは電動化のパワートレーンを採用するに違いない。しかし、業界が電動化へと急速に移行して以来、RX後継車の話はほぼなくなった。
戦略的に、このビジョン スタディはマツダの代表的なソウル レッド色ではなくニュートラル ホワイトで塗装されていた。これは、将来のクーペを暗示しているのかとも思う。そのプロポーションから推測すると、ロードスターのサイズであることは確かだ。でも、丸本社長が発表した「電動化を加速させる」計画を考えれば、次世代のスポーツカーに何らかのハイブリッドかプラグイン・ハイブリッドを積むだろう。
ただ、ボンネットの位置が低い。本当にエンジン、モーター、インバーターやバッテリーという電動パワートレインを積むなら、写真で見る低いボンネットの下にそれだけのハードウェアが入るのか? そう考えると、この次世代スポーツカーは、部品がガソリン車より半分以下の完全なEVになるのか? 大きな疑問だ。しかし、今のマツダが、完全なEVパワートレインに切り替えるとは思わない。だから、この話がますます面白くなる。
ところで、さっき「ロードスターのサイズ」と書いたけど、サイズとスタイリングを見ると、実は、よりコンパクトになった次世代RX-7になる可能性もある。特にその低いボンネット。業界で「RX-9」と呼ばれている次世代 RX-7 に生まれ変わる可能もある。
その低めのボンネット下には、コンパクトなロータリーエンジンを収容し、電気モーターに繋ぐと考えられる。ロータリーを採用した場合、そのエンジンはバッテリーを充電するための発電機としてのみ使用されることはほぼ確実。
これだけ想像が広がるということは、今回のマツダのティーザー画像は上手くできているという証拠だ。この画像で大騒ぎのメディアやファンの反応を見ると、マツダのスポーツカーの人気がどれだけ高いか、つくづく伝わってくる。
その正体は次世代ロードスターなのか、それとも待望のロータリー付き RX-7 の後継車なのか? 正直に言うと、ビジョン スタディの初期段階では、これが何であるかはまだわからない。2つのうちのいずれかであることは確か。はっきり言って、市場は結局それが何であれ気にしないはずだ。とにかく、格好いいスポーツカーを出して欲しい!