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全八冠復帰遠のく
将棋の第10期叡王戦本戦トーナメントの準決勝は25日、大阪府高槻市の関西将棋会館で指され、藤井聡太七冠(22)=竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖=が糸谷哲郎八段(36)に負け、同棋戦の敗退が決まった。これで叡王戦挑戦はならず、2025年の全八冠復帰はなくなった。
藤井七冠は23年10月に史上初めて全8タイトルを独占。24年6月に叡王戦5番勝負で伊藤匠叡王(22)に敗れ、七冠に後退した。今後は保持するタイトルの防衛戦を続けながら、26年の叡王戦挑戦者を目指すことになった。
終局後、藤井七冠は「本局は全体的に苦しい将棋だった。今期は敗退となったが、もっと実力を高めて(叡王戦の)トーナメントに臨めるように取り組んでいきたい」と話した。
現在、タイトル戦は棋王戦5番勝負で2勝0敗、並行して開催中の王将戦7番勝負では3勝1敗と、両棋戦で防衛に王手をかけている。4月からは名人戦7番勝負が始まる。
8冠陥落
藤井聡太叡王(竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖=21)がついに8冠陥落-。20日、甲府市「常磐ホテル」で行われた将棋の第9期叡王戦5番勝負第5局で、小学生時代に対局し「藤井を泣かせた男」の異名を持つ同学年の伊藤匠七段(21)の前に156手で逆転負け。対戦成績2勝3敗となり、初めてタイトルを失った。藤井は7冠に後退。タイトル連続獲得も「22」でストップし、全8冠保持は「254日天下」で終わった。
「30連勝を止めた男」
【王将戦】藤井聡太竜王5冠へ死闘制す「きわどく詰んでいる」渡辺王将攻略
豊島竜王 1冠に後退「苦しい将棋多かった」 10月竜王戦で再び藤井と対戦
◇第6期叡王戦5番勝負最終第5局 藤井聡太―豊島将之(2021年9月13日 東京・将棋会館)
2冠から竜王の1冠に後退した豊島は、努めて平静を装っていた。「今シリーズは苦しい将棋が多かった」。初対決以来6連勝と圧倒していた相手に、王位戦で1勝4敗と叩きのめされ、さらに叡王も失冠。心中穏やかではなかっただろう。
「序盤、中盤、終盤、隙がない」のキャッチフレーズ通り、中盤までは隙がなかった。金銀の守備駒から自王がぽつんと離れたままの薄い囲いにもかかわらず、若き挑戦者に一歩も引かなかった。だが最後は無理な陣形がたたった。「銀が引かされる前に(別の)手順があったのでは」と悔いを示す。
落ち込んでいる暇はない。藤井とは竜王戦で、再び防衛を期す。「それまでの期間で修正したい。約1カ月準備して頑張りたい」と気持ちを切り替えていた。