支える人
この人(縁の下の力持ち的存在・・・)
二刀流が認められるまで
片岡愛之助(52)出演の舞台「四月大歌舞伎」初日に、今度はしっとり着物姿の紀香の姿があった。「梨園の妻」として歌舞伎座(中央区)に赴き、夫の贔屓(ひいき)筋に挨拶していたのだ。
「歌舞伎役者の妻は大変な仕事です。演目や季節の行事について勉強し、着付けやお茶、お花の作法を身につけるのは基本中の基本。贔屓筋との付き合いや歌舞伎界の人間関係が複雑で、処世術も身につけなければならない。
結婚当初は随分とバッシングもされましたが、時間をかけて数々の難業をこなしてきた。梨園の妻として認められた今の彼女は貫禄が出てきて、『離婚しない男』のような振り切れた演技もできるようになりました」(芸能リポーター)
大谷翔平も凄いが、女優と「梨園の妻」、こちらの二刀流もなかなか凄いことになっている!
“梨園の妻”として、常に目立っているのが藤原紀香(52)だ。4月26日まで歌舞伎座(東京・中央区)で上演されていた『四月大歌舞伎』では、出演している夫・片岡愛之助(52)のために初日から和服姿で劇場に出向いていた。芸能活動にも力を入れている。
「1月期ドラマ『離婚しない男』(テレビ朝日系)では、大きく胸の開いた白いシャツを着ただけという格好で、大胆に美脚を見せつける謎の美女を演じ、振り切った演技が視聴者に好評でした。4月24日放送の『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』(日本テレビ系)では、武田真治さん(51)と隅田川の花見に行く『花見はしご旅』に出演しています。ロケでも軽妙なトークと機転の利く対応で、評判は上々でした」(テレビ誌ライター)
では、“梨園の妻”たちはそんな紀香のことをどのように評価しているのだろう……。
「とてもよく務められていると思います」
そう語るのは、梨園の妻の1人。
「縁もゆかりもない。ましてや、知人もいない梨園に来られて、日々すごく勉強されていらっしゃるという印象は最初の頃から今も全く変わりません。挨拶回りや事務作業といった表には全く見えないお仕事もすごく真面目にやっています。芸能界のお仕事もあるのに、いつ寝ているのだろうと思うほどです。梨園の妻たちの間でも、『将来的には富司純子さん(78)のようなシンボル的な存在になる』と仰る方もいるくらい。彼女の大ファンって方は多いと思いますよ」
富司といえば、人間国宝、七代目尾上菊五郎(81)の妻で、寺島しのぶ(51)や五代目尾上菊之助(46)の母。自身も紫綬褒章や旭日小綬章を受賞した大女優だ。そんな“格上”と比較されるほど、紀香は大絶賛されているという。とはいえ、歌舞伎役者に名跡によって「格」があるように、梨園妻にも“序列”があるといわれており、それを決めるのは「夫の格」と「嫁いだ順」とされる。
「あくまで“格”でいうなら、夫の愛之助はそれほど高くありません。ですので、紀香の“序列”も低いということになりますが、今は、そこを意識される梨園の妻はほとんどいなくなったと思います。いわゆる“序列”でもトップクラスである富司がそういうことを全く気にしない人で、とても気さくな方なのだそうです。
十三代目市川團十郎白猿(46)の母親も格でいえば、かなり上ということになりますが、表に出てくるような方ではありませんし、誰とでも話しやすい人だと聞きます。梨園の妻の世界も、現代風にブラッシュアップされている印象です。今は、尊敬できる方が、人気が高いということではないでしょうか。富司は、やはりその中でもダントツ。紀香もかなり人気があります」(全国紙文化部記者)
紀香が“梨園の妻”として、歌舞伎界を牽引する日も遠くないかもしれない。