ホテル
The Hotel
ハイアット リージェンシー 京都
2021-10-12
ホテル日航プリンセス京都
2021-10-12
蒲郡クラシックホテル
2021-10-10
「蒲郡クラシックホテル」の歴史を探る。城郭風、アールデコ様式をもつ戦前の建築
愛知県は東三河地区、渥美半島、知多半島に囲まれた三河湾に臨み、国の天然記念物・竹島を有する蒲郡市。温暖な気候で風光明媚な地は多くの文人に愛されてきた。
菊池寛が長編小説「火華」で蒲郡を舞台にしたのが1922(大正11)年。以降、志賀直哉、川端康成、三島由紀夫など、その作品に登場することで蒲郡は保養地として広く知られることとなった。こうした蒲郡を愛する文豪たちの逗留地となっていたのが「料理旅館 常磐館」である。
「常磐館」は、名古屋の織物商社である株式会社タキヒヨーの5代目瀧信四郎氏が1912(明治45)年に創業。1934(昭和9)年には新たに洋風の別館「蒲郡ホテル」を敷地内に完成させた。「常磐館」は残念ながら1982(昭和57)年に取り壊されてしまったが、「蒲郡ホテル」は現在「蒲郡クラシックホテル」として当時の姿を留めている。「蒲郡ホテル」から「蒲郡プリンスホテル」、そして「蒲郡クラシックホテル」と名前が変わったものの、建物自体はほぼ当時のまま残されている。城郭風の外観、アールデコ様式で統一された館内。外から見ても中に入ってみても、何ともクラシカルで伝統を感じさせる建物だ。戦前に建てられ今もその姿を留めているホテルは数少ないため、貴重な存在だ。