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大谷派教団の動き

真宗大谷派宗政の動きについて

総長死す!!

2021-09-23
2021年9月23日 15:14
真宗大谷派の宗務総長、但馬弘氏が死去 62歳

 真宗大谷派(本山・東本願寺、京都市下京区)の宗務総長、但馬弘(たじま・ひろし)氏が23日午前2時ごろ、京都市内の自宅で死去した。62歳だった。葬儀は27日、石川県小松市月津町ラ36番地の自坊、興宗寺で予定されている。喪主は長男諒(まこと)氏。

 但馬氏は1997年から宗議会議員を務め、2016年12月から現職。門首継承や宗務改革、宗祖親鸞誕生850年と立教開宗800年にちなんだ慶讃法要の準備などに尽力してきた。療養のため、今年8月に職務代理者を任命していた。

臨時職とはいえ女性が宗派の行政職の長を務めるのは史上初となる。

2021-08-27
真宗大谷派 但馬総長が入院 10月臨宗で退任の公算
2021年8月25日 10時14分
真宗大谷派の但馬弘宗務総長(61)が体調不良で24日に入院したことが分かった。25日の宗務所の部次長会で発表された。但馬総長は任期満了に伴う9月の宗議会議員総選挙後に予定される10月中旬の宗会臨時会で退任する公算が大きい。
宗務総長の臨時代理は望月慶子参務(79)が務める。臨時職とはいえ女性が宗派の行政職の長を務めるのは史上初となる。(『中外日報』8月27日付で詳報)

但馬宗務総長の入院加療に伴う宗務総長臨時代理の任命について

2021-08-26
重要なお知らせ 2021.08.25

このたび、当派宗務総長の但馬弘が、入院加療により一定の期間宗務を執り行うことができなくなるため、宗務職制第6条第1項の規定に基づき、下記のとおり宗務総長臨時代理を置くこととなりましたのでお知らせします。

 

任 命:参務 望月慶子
事 由:宗務総長が入院加療により、一定の期間宗務を執り行えないため
就任日:2021年8月25日
退任日:宗務総長の入院加療が終了し、宗務執行が可能となったとき

経典の中の差別語問題 真宗大谷派が謝罪 書き換えられない文言、問われる解決のかたち

2021-09-19
東本願寺の境内(京都市下京区)
2021年9月18日 19:20

真宗大谷派(本山・東本願寺、京都市下京区)の僧侶、門徒でつくる議決機関・宗会が、約100年前から差別語であると批判されてきた経典の文言「是旃陀羅(ぜせんだら)」について、改善を誓う決議を全会一致で行った。文言を解説する際、日本で差別を受けてきた人たちに例えてきた歴史についても謝罪した。だが釈迦(しゃか)の言葉である経典は書き換えられず、時代とともに人権意識が変わる中、難しい決断を迫られている。

 是旃陀羅は、仏教の経典の一つ「観無量寿経(観経)」にある一節。観無量寿経は浄土真宗などで重要な経典とされてきた。旃陀羅は古代インドの被差別民を指し、同派では江戸から昭和初めごろまで日本の被差別身分に例えて説明されていたとみられる。1922年の全国水平社結成以来、差別を助長すると指摘され続け、40年には同社幹部から経典の語句訂正も含めた対応を求められた。

教団内でも「是旃陀羅」を差別語と認識して解説書で手厚く説明したり、学習会を重ねたりして対応してきた。だが経典の文言を変えるわけにはいかず、同派によると現在も年忌法要で「是旃陀羅」を含む観経が読経されることがあるという。

 一方で、2013年には部落解放同盟広島県連が改めて問題を提起。教団内でも2022年に水平社創立100年、23年に浄土真宗の立教開宗800年を控え、抜本的に解決すべきとの声が高まっていた。

 そこで僧侶でつくる宗議会と、門徒で構成する参議会(各65人)は今年6月に決議を提案し、それぞれ全会一致で可決した。

 決議文では「その言葉を耐えがたいと感じる人がいることに思いが至らず、読誦(どくじゅ)を繰り返してきた」と謝罪。「人間解放という人類共通の願いに向けた具体的な一歩を踏み出すべきである」とし、差別のない社会に向けて努力し続けることを誓った。

 ただ、決議について宗会議員の中には「長年の課題解決に向け、ようやくスタート地点につけた」との声がある半面、「具体的な解決策まで示しきれなかった」との指摘もある。

 一部の僧侶からは法要で「是旃陀羅」の文言を読まないことが解決策として提案されている。だが「経典を読み飛ばすことは、書き換えることと変わらない」、「ただ読まないだけでは問題を見えなくするだけで、根本的な解決とはいえない」との意見も根強く、解決に向けた道筋はまだ見えていない。

 執行部にあたる大谷派の内局は、決議を受けて「水平社100周年を迎える来年3月までに一定の見解を示したい」と説明。問題意識を共有するための冊子作りや全国25教区での意見集約を進めつつ、具体的な対応策の検討を進めているという。

▽「是旃陀羅」問題に取り組む部落解放同盟広島県連の岡田英治委員長の話

 初めて決議されたのは大きな前進で、過去をざんげしていることも評価したい。ただ、具体的な対応も決議してほしかった。最低でも不読にし、時間がかかっても教えと整合性がとれるように何らかの変更をするのが大事だと思う。経典には女性差別や障害者差別もある。同じ問題は他宗派にもあり、さらに考えてほしい。

「是旃陀羅」問題に関する決議

2021-07-07

2021年6月30日更新

「「是旃陀羅」問題に関する決議」を宗議会及び参議会において全会一致で可決

このたび、弊派の最高議決機関である宗議会(僧侶議員で構成)及び参議会(門徒議員で構成)において、「「是旃陀羅」問題に関する決議」が全会一致で可決されましたので、お知らせします。

「是旃陀羅」問題に関する決議

 私たちは、近年、部落解放を願う人々から、教団の根幹である教学・教化・儀式に直結する厳しい提起を受けてきました。『仏説観無量寿経』序分にある「是旃陀羅(ぜせんだら)」という言葉にかかわる問題です。
 このインドにおけるアウトカーストの人々を表す「旃陀羅」という言葉は、人間の尊厳を否定する根源的な差別語として機能してきました。私たちは、その言葉を聞くことで心が痛い、耐え難いと感じる人がいることに思いが至らず、法要儀式で読誦を繰り返し、またその言葉に「穢多」・「非人」という言葉を当てて教化してきた歴史がありました。私たちは、あらためて差別される痛みや苦しみを感じてこられたすべての人々に対し、深く謝罪いたします。
 また、私たちは、全国水平社創立以来、「親鸞に帰れ」という願いのもとに発せられる悲痛な叫びに、真に向き合うことができませんでした。信心の問題と差別によって人間が否定されるという問題を切り離してしまうなど、教学・教化・儀式の課題として受け止めきれなかったと言わねばなりません。それは、カーストの克服を大きな課題とした釈尊の教えや、「みな、いし・かわら・つぶてのごとくなるわれらなり」と吐露(とろ)した宗祖親鸞聖人の教えに違(たが)うものであり、念仏の僧伽(さんが)を求める同朋会運動の精神に対して、自ら背を向けるものであったと深く慚愧(ざんき)いたします。
 私たちが、是旃陀羅の問題をはじめ、聖教(しょうぎょう)における女性差別、また障がい者差別等、すべての差別問題における課題を共有することは、同時に、教えを通して我が身の差別性が自覚させられていくことであります。
 全国水平社創立百年、立教開宗八百年を目前にした今、私たちは、差別を受けてきた人々に二度と同じ苦しみを与えることがないよう、また、差別をし、見過ごし気づけなかった過ちを繰り返すことのないように、あらためて、「人間解放」という人類共通の願いに向けた具体的な一歩を踏み出すべきであると考えます。
 私たちは、宗憲前文の「同朋社会の顕現」という使命を果たすために、国家・宗教・民族・性別などのあらゆる差異(ちがい)を超えて差別のない社会を求め、継続的な努力と歩みを重ねていくことをここに誓います。
以上、決議いたします。

   2021年6月28日
                  真宗大谷派 宗議会議員一同 
   2021年6月30日
                  真宗大谷派 参議会議員一同

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