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ちょい話【親鸞編】

仰せを蒙りて【文字データ編】

本当と本当が喧嘩して世の中やかましくなっとる

2020-10-11
805
頭から念仏(南無阿弥陀仏)ということを出すと聞いたほうは承知せんです。そうでしょう。それなら頭から題目(南無妙法蓮華経)だというのと同じことやないかね。だから今、わしが本当や、わしこそ本当やいうて、本当と本当が喧嘩して世の中やかましくなっとる

機関紙『親鸞仏教センター通信』]74号より

2020-09-11
[機関紙『親鸞仏教センター通信』] 9月発刊の最新号、74号より記事をお届けします!
■長谷川琢哉「自筆ノートの調査から見えてくる研究課題」
「清沢満之研究会」では、2016年から『他力門哲学骸骨試稿』(以下、『他力門』と略す)の再読を行ってきた。その際われわれは、関係各所に特別な許可を取り、清沢満之による自筆原稿の調査・翻刻を行った。原稿には多数の書き直しや削除、組み直しの痕跡が残されており、それらの痕跡を可能な限り復元したかたちでの翻刻作業を現在進めている。ただし、この研究によって具体的に明らかになったことなどについては翻刻を公表するまでは触れることができないため、以下では中間発表として、翻刻作業を通して見えてきた新しい問題系について示しておきたい。
※写真は、長谷川研究員。

現世利益というものがただ悪いというんじゃないのです。

2020-10-03
798
つまり言ってみれば、今いろいろ出ている現世利益というものがただ悪いというんじゃないのです。それはなにか低いーー悪いというんじゃない。ほんとうの意味の宗教心を閉ざしてしまうんだ、せっかくのね。だから人間が行き詰るというのは、最高の機会なんだ。出直すためのね。それこそ一つの転機。大きな転換期なんだ。つまり王舎城の悲劇というものを個人に引き受けた。そういうような意味になる。

解脱が悪いのとちがうんだ、解脱が小さいんだ。

2020-09-22
788
そういうわけで、解脱が悪いのとちがうんだ、解脱が小さいんだ。それで解脱というとなにか逃げるという形になる。そうではなくて、解脱という意味をもっと徹底して、解脱で逃げることからも逃げなきゃいかん(笑)。それが世間に住せず涅槃に住せずという、住するところがないんだというところが、これが仏教の住するところ。逃げ出すというようなのは、解脱が小さい、低いからです。解脱といいながらその中にまだ個人性を含んでおる。

現世利益が流行るのはね。

2020-09-21

 

786
日本ではだんだん仏教学が要らんようになってきて現世利益の宗教というものがはびこっとるんですが、ああいったものは、いってみれば解脱という問題を忘れるというと、そういう現世利益になるのです。健康とか幸福とかが問題になってくるところに現世利益というものがある。だから本当の意味の、純粋仏道が濁っている結果なんだ、現世利益が流行るのはね。
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