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御料車(列車編)

その歴史

1号御料車(初代)

2023-02-23


初代御料車で、日本で現存する最古の客車です。優雅な赤色と装飾が一目で御料車だとわかる雰囲気を醸し出しています。ガラスの奥で厳重に展示されています。

形式:A
番号:1
製造年:1876年
製造:神戸工場
1号御料車
お召列車

お召列車は,天皇・皇后両陛下の行幸啓に際して運転される特別列車で,鉄道開業時からの長い歴史があります。近年においては,特に春の全国植樹祭や秋季国体開会式,全国豊かな海づくり大会,国賓のご案内など,公式行事には,1号御料車と4両の供奉車から成る1号編成が使用され,EF5861を筆頭とする磨き上げられたロイヤルエンジンが牽引する形で運行されてきました。しかしJR移行後,1号編成の運用範囲は東日本管内に限定されてしまった上,航空機や新幹線,特急のグリーン車をご利用になることが多く,運行の機会は極めて少なくなりました。さらに,2007年7月にはE655系が落成,2008年から使用開始され,鉄道開業以来の長い歴史を持つ,客車列車によるお召列車は終焉を迎えました。なお,JR西日本管内においては「サロンカーなにわ」が使用されており,今後も動向が注目されます。ここでは私が撮影した1号編成に関するお召列車に限定し,新しい行事から順に並べてあります。
初代2号御料車
九州鉄道が1901年ドイツから輸入した車両。
当時珍しかった曲面ガラスが使われている。
鉄道博物館
12号御料車は、1924年摂政宮(昭和天皇)御乗用に大井工場で製造。
5号・6号御料車
5号御料車は、明治35年にできた昭憲皇太后のために造られたものです。1-4号と6号は天皇用として造られていますので、5号御料車は初めての皇后用御料車であり、明治時代では唯一造られた皇后用の御料車です。

車長16.129mという、やや小型の2軸ボギー車です。2軸ボギー車というのは、2軸4輪を一つの台車にし、それを車両の前後に取り付けたものです。車体各部をみると、窓をはじめとした直線中心の姿のなかに、屋根・雨樋・飾り帯などで優雅な曲線を織り交ぜた、品の良い車両ということを感じさせます。

ちなみに、昭憲皇太后は明治天皇より後年に亡くなられた関係で皇太后とされますが、明治時代はもちろん皇后であられました。また、昭憲皇太后が亡くなられた後も、6号御料車とともに大正時代にお召し列車として引き続き使われていた車両です。その後も予備車を経て休車となり、昭和34年に廃車となりますが、同年に鉄道記念物の指定を受けています。
https://plus.chunichi.co.jp/blog/ito/article/264/6501/

6号御料車で、明治43年にできた明治最後の新製御料車です。車長20.728mと大形で、側面中央に菊の御紋章があるほか、前後に桐の御紋章が配されています。さらに、窓の上には彫刻による装飾が施されていたり、車体と台車の間にある台枠にも装飾がされていますし、その他各所にも入念な文様が施されている姿はみごとで、その姿は御料車で最高傑作とまで言われるものとなっています。

写真では判りにくいですが、3軸ボギー車です。御料車で初めて採用したもので、この後の御料車は永らく3軸ボギー車が基本となります。

車内は、5号御料車と同じく御座所のほか御寝室・御厠、大膳室、侍従室があります。その御寝室には、三種の神器のひとつ剣璽(けんじ)を置く御剣璽棚がある点が5号御料車と異なり、天皇用の御料車であることが確認できます。

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