ちょい話【親鸞編】
仰せを蒙りて【文字データ編】
浄土真宗の教え
2022-08-29
宗祖親鸞聖人は、師である法然上人との出遇いをとおして、阿弥陀仏に帰依して「南無阿弥陀仏」と称えることが、すべての人に開かれた平等な救いの道であるといただかれました。
聖人は、生涯にわたる聞思のなかで『顕浄土真実教行証文類(教行信証)』を撰述し、その教えを「浄土真宗」と顕かにされました。浄土がまこと(真)のむね(宗)である、浄土こそがほんとうの依りどころであるということです。
浄土は、日ごろのわたしたちの欲望に左右されることなく、どんな状況でも変わらず、失われることのない依りどころです。また「南無阿弥陀仏」のお念仏は、いつでも、どこでも、だれでもできる、普遍の仏道です。
苦しみ、悲しみ、悩むわたしたちは、浄土を願いお念仏を申すことで、人として生まれ生きていく意味、すべての人々とともに今生きているということを知らされるのではないでしょうか。
この列車はどこへゆくのかとあわてだす。
2022-07-05
吉川英治作『人生列車』、私がこの文章を始めて出遇ったのは、九州大谷短期大学の新入生オリエンテーションでの宮城 顗先生の講義でのことでした。
『人生列車』 吉川英治作
発車駅の東京も知らず、横浜も覚えがない。
丹那トンネルを過ぎたところで薄目をあける。
静岡あたりで突然乗っていることに気づく。
そして名古屋の五分間停車のあたりから、窓の外を見てきょろきょろしはじめる。
この列車はどこへゆくのかとあわてだす。
もしそんな乗客がいたらみな吹き出すに決まっている。
その無知な乗客を哀れむに違いない。
ところが人生列車は全部の乗客がそれなのだ。
発車駅の東京も知らず、横浜も覚えがない。
丹那トンネルを過ぎたところで薄目をあける。
静岡あたりで突然乗っていることに気づく。
そして名古屋の五分間停車のあたりから、窓の外を見てきょろきょろしはじめる。
この列車はどこへゆくのかとあわてだす。
もしそんな乗客がいたらみな吹き出すに決まっている。
その無知な乗客を哀れむに違いない。
ところが人生列車は全部の乗客がそれなのだ。
仏教はまず人間を行き詰まらせるのです。
生涯を歓び、生ききると言いましても、どうしたらそうなれるのかという問題があります。
自分の中からいつもそんな力がわいて来るなら苦労はしないのですが、へこたれて、弱々しい気分になってしまうことも多くあります。
そこが宮城先生の言葉では、「信仰とは、勇気と情熱を賜ることです」となっています。
「親鸞とマルクス」
2024-05-24
[対談]斎藤幸平 × 名和達宣「親鸞とマルクス」
この動画は、2022年10月15日に開講された「人生講座」を編集したものです。
【プロフィール】
斎藤幸平(さいとうこうへい)
1987年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部准教授。ベルリン・フンボルト大学哲学科博士課程修了。博士(哲学)。専門は経済思想、社会思想。2020年9月に集英社新書から出版された『人新世の「資本論」』は45万部のベストセラーに。
名和達宣(なわたつのり)
1980年生まれ。親鸞仏教センター研究員等を経て、現在、真宗大谷派教学研究所所員。京都光華女子大学非常勤講師。専門は親鸞教学、近代日本思想史。2020年に法蔵館より『近代の仏教思想と日本主義』(共編著)を刊行。
Fensiサイト名:Ohigashi Official Site(真宗大谷派名古屋別院)
◆サイトURL:https://ohigashi.fensi.plus/
◆HP(お東ネット):http://www.ohigashi.net/
◆Instagram:https://onl.la/fKdHma6
◆Twitter: / gobochan1128
◆Facebook: / ohigashi.net
『人新世の「資本論」』斎藤幸平さんインタビュー マルクス
RE : 親鸞とマルクス/[クロストーク]斎藤幸平 ×近藤俊太郎× 名和達宣
斎藤幸平×加藤大樹「『人新世の「資本論」』と仏教の接点」
2024-05-30
[前編]斎藤幸平×加藤大樹「『人新世の「資本論」』と仏教の接点」
[後編]斎藤幸平×加藤大樹「『人新世の「資本論」』と仏教の接点」
2023年度春季企画展 大谷大学のあゆみ 大学の前身 学寮の時代
2023-04-06
開催にあたって
大谷大学の前身である東本願寺の学問機関「学寮」は、江戸時代の寛文5年(1665)、東本願寺飛地境内の渉成園(枳殻邸)内に創設されました。宝暦5年(1755)に高倉の地に移転してからは「高倉学寮」と称され、江戸時代の宗学研究・研鑽の場として隆盛し、全国寺院子弟らの教育の場として発展しました。
明治維新期には、激動の時代の要請に応える「護法場」が設けられ、国学・儒学・天学(天文地理)・洋教(キリスト教)などを広く研究したうえで、仏教を学ぶ場となりました。
本展覧会は「学寮の創設と高倉移転」、「講師と近世宗学」「維新の動乱と護法場」の3つのテーマで構成しています。大谷大学の基礎を築いた先学たちの尊い営みの一端を感じていただければ幸いです。