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大相撲の世界

【 大相撲の巻】

弓取り式で33年ぶりの出来事

2024-05-15
弓取式を披露する朝乃若(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇2日目◇13日◇両国国技館

結びの一番終了後の弓取り式で、33年ぶりの出来事があった。この日、初めて弓取りを務めたのは、西幕下20枚目の朝乃若(28=高砂)。

最高位は一昨年春場所の東十両4枚目という関取経験者だ。関取経験者が幕下以下に番付を下げた後に、弓取り式を務めたのは91年名古屋場所の秀ノ花以来。朝乃若は「いい雰囲気で緊張した」と話し、本場所の弓取りデビューを「ちょっとヒヤッとしたので60点」と、自己採点した。

この日から照ノ富士が休場し、当初は同部屋の聡ノ富士が務める予定だった弓取りの大役を、急きょ打診された。「若松親方(元前頭朝乃若)から今日(2日目)の昼に電話で『いけるか?』と聞かれて『分かりました』という感じ」。3月31日の春巡業で、初めて公に弓取りを披露。その時も急きょの大役だったが、約1カ月の春巡業の半分で務めていた。とんとん拍子の本場所デビューだった。

そもそも初めて弓取りの稽古をしたのが、昨年10月の秋巡業。2メートルを超える弓が、思いのほかなじんだ。現在は4場所連続勝ち越し中で関取復帰も間近。「関取で弓取りを目指します」と意気込んだ後、持ち前のサービス精神を発揮し「あと、嫁取りも」と笑った。原則として結婚は関取でなければできないだけに、まずは相撲と弓取りの稽古に精進する。【高田文太】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

新入幕優勝の尊富士 110年ぶりの快挙、やっちゃいました・・・。

2024-03-24
優勝力士インタビューで笑顔を見せる尊富士=林敏行撮影
青森で培われた速攻、原点は「かけっこ」 110年ぶり快挙の尊富士
大相撲の歴史に残る偉業を、青森の力士が成し遂げた。
五所川原市出身の尊富士(たけるふじ)関(24)=本名・石岡弥輝也(みきや)。
春場所千秋楽の24日、豪ノ山を倒して成績を13勝2敗とし、初優勝を決めた。
新入幕での優勝は110年ぶりの快挙。
初土俵から所要10場所での優勝という、史上最速の記録も打ち立てた。
大相撲春場所で新入幕を果たし、記者会見で笑顔を見せる尊富士=大阪市東成区で2024年2月26日午前10時32分、北村隆夫撮影
新入幕優勝の尊富士 「腕立て伏せもできなかった」恩師が驚く成長 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

 大相撲春場所(エディオンアリーナ大阪)は千秋楽の24日、入門から2年足らずで大いちょうが結えない平幕の尊富士(たけるふじ、24歳)=本名・石岡弥輝也(みきや)=が約110年ぶりの新入幕優勝を果たした。前日にしたけがにも強い気持ちで屈しなかった新鋭は、筋肉が盛り上がった体つきからは想像できないが、かつては腕立て伏せもできない少年だったという。

 地元出身横綱のしこ名を冠した「つがる旭富士ジュニアクラブ」(青森県つがる市)の越後谷(えちごや)清彦総監督(61)は、金木町(現五所川原市)から車で30分ほどかけて通ってきた小学生時代の尊富士を、「相撲は上手だけど、強くはならないだろうな」と見ていたという。

春場所で優勝し、賜杯を受け取る尊富士(中央左)=エディオンアリーナ大阪で2024年3月24日、長谷川直亮撮影 © 毎日新聞 提供
「若手活躍は悪くないけど…」

幕尻の尊富士と入幕2場所目の大の里が千秋楽まで優勝争いを演じるなど、スピード出世により大いちょうを結えない若手が躍動した大相撲春場所に、複雑な声が聞かれる。

 「活躍するのが悪いことではないんだけども……」

 あるベテラン親方は前置きした上で、「もう番付はいらないんじゃないか。そのとき調子がいい人から順番に並べたほうがいいのでは」とあきれるように話した。番付上位が威厳を示せなかったのは、番付社会の角界にとってはゆゆしき事態とも言える。

 象徴的だったのは11日目。琴ノ若が尊富士に、貴景勝が大の里に不覚を取り、霧島の負け越しも決まった。この日、土俵下の審判長を務めた審判部の浅香山副部長(元大関・魁皇)は大関陣について「強さを見せつける相撲は取れていない。尊富士、大の里が目立って強いので、他がかすんでしまう」と話した。

facebook 中野博美さん曰く
大相撲、
北の富士が出なくなってから時々伊勢ヶ濱が出てるんだけど、
弟子の熱海富士が阿炎に負けた後、
師匠の伊勢ヶ濱は何を言うだろうと思っていたら、
「今日は0点ですねえ」ときた。
伊勢ヶ濱って言葉は少ないし厳しいコメントが多いんだけど、
ウィットに富んだ面白いこと言うなあ! 
尊冨士が勝ったときはちょっとうっときてコメント無かったけどwww
 

優勝がかかる一番

2024-03-22
優勝がかかる一番で朝乃山(右)と対戦する尊富士 © 東スポWEB
【春場所】尊富士の「大一番」相手…審判部は朝乃山を指名 霧島&貴景勝の大関陣は〝除外〟 (msn.com)

大相撲春場所13日目(22日、大阪府立体育会館)、新入幕尊富士(24=伊勢ヶ浜)が関脇若元春(30=荒汐)を寄り切り、12勝目(1敗)。後続と2差を維持し、110年ぶりとなる新入幕優勝に王手をかけた。

打ち出し後には審判部が取組編成会議を開き、14日目(23日)は幕内朝乃山(30=高砂)との対戦が組まれた。西前頭筆頭の朝乃山は8勝5敗。この日に勝ち越しを決め、目標の三役復帰へ向けてさらなる白星の上積みを目指している。審判部長の佐渡ヶ嶽親方(元関脇琴ノ若)は「朝乃山は元大関だし、三役もかかっているので」と説明した。

大関霧島(陸奥)は3勝10敗と振るわず、大関貴景勝(常盤山)も8勝5敗で勝ち越しを決めており、対戦相手から除外。幕内豪ノ山(武隈)と当てる案もあったが、この日に4敗に後退したため、実力者の朝乃山が優勝のかかる大一番にふさわしい相手として選ばれた。

尊富士は朝乃山に勝てば、その時点で優勝決定。負けた場合でも、3敗の幕内大の里(二所ノ関)が小結阿炎(錣山)に敗れ、同じく3敗の大関豊昇龍(立浪)も新大関琴ノ若(佐渡ヶ嶽)に負ければ、尊富士の優勝が決まる。

第55代横綱・北の湖敏満

2022-11-20
NHK人物録 | NHKアーカイブス
第55代横綱・北の湖敏満。昭和50年代の土俵に君臨した大横綱で、その強さは双葉山、大鵬をしのぐとも言われ、憎たらしいほど強い「不沈艦」の異名を取った。
北の湖は昭和28年北海道壮瞥町生まれ。中学1年の時に上京し、13歳で初土俵を踏んだ。十両昇進は17才11か月、新入幕は18歳7か月と、いずれも当時の最年少記録を塗り替え「北の怪童」と呼ばれた。立ち会いの強烈な当たり、左四つからの上手投げ、怒涛の寄りで白星を重ね、昭和49年、史上最年少となる21歳2か月で横綱に昇進した。最大のライバルは「相撲の天才」と言われた第54代横綱・輪島。両力士は白熱した熱戦を繰り広げ「輪湖時代」を築いた。輪島引退後も優勝を重ね、昭和53年には初場所から5連覇。当時の新記録となる年間82勝を挙げ「憎たらしいほどの強さ」と評された。優勝回数24回は当時大鵬に次ぐ大記録。横綱在位63場所という記録も残した。
引退後は一代年寄の名跡を認められ、北の湖部屋を創設。後進の育成に務めながら日本相撲協会の理事長として相撲界を牽引した。横綱として土俵に立ち続けることを信念とし、力士人生を全うした。

奉納土俵入りを披露する横綱照ノ富士

2021-09-14
2021/09/13 16:16
© 中日スポーツ 提供 (8月24日撮影)
【大相撲秋場所・北の富士さん展望】

   場所前の引退説もささやかれていた白鵬がコロナ禍休場…照ノ富士の独走となるでしょう  

   名古屋場所が終わったのが7月18日。

   予定していた北海道行きも結局やめることになった。

   オリンピックが始まると「こんな時にオリンピックなんて」と文句を言いつつ、日本選手の奮戦に拍手喝采。連日のメダルラッシュに大満足。やはりスポーツは良いものであることを再認識した次第です。続くパラリンピックの方も選手たちの不撓(ふとう)不屈の精神力に感動をせずにはいられなかった。まるで奇跡である。

   彼らの努力に比べると相撲取りの稽古なんぞ足元にも及ばない。ほとんど子供の遊びである。おそらく力士たちもテレビでオリンピックを見ていたと思う。そしていかに自分たちの稽古が甘かったと感じたと思う。もし何も感じなかったら救いようのないバカである。12日から秋場所が始まるが、よほど頑張らなければお客さんの感動は得られないだろう。さっそく憎まれ口から始まってしまったが、慣例だから展望といきましょう。

   すでに御承知と思いますが白鵬は部屋にコロナ禍の力士が出たので休場となってしまった。照ノ富士の新横綱の土俵より、ある意味、白鵬の動向の方が気になっていたので休場を聞いて思わず「あっけ」に取られた気持ちです。というのも白鵬の膝の回復が遅れ、どうやら場所前に引退を発表するのではとささやかれていたからです。私も信ぴょう性のある話と思っていた一人です。しかしこれで白鵬引退説はなくなりました。もしかして神様が白鵬にもう一度チャンスをくれたのかもしれません。

 さて新横綱照ノ富士に話題を移しましょう。

 私はまだ照ノ富士の土俵入りを見ていません。無観客でひっそり明治神宮で授与式と土俵入りを行ったようです。何ともさびしい話ではありませんか。最近では稀勢の里の時は2万人近い人が新横綱を見に来たと聞いています。千代の富士の時は怖くなるくらいの人出でした。初日の土俵入りが今から楽しみです。

 どうやら稽古も十分にできたようです。それなら優勝は決まったようなものです。白鵬の休場で照ノ富士の独走となるでしょう。横綱の重圧に負けなければ当分は照ノ富士の時代が続くと思います。とは言っても膝に爆弾を抱えているので絶対というわけにはいきません。「絶対」と「お化け」は出たことがありませんから、念のために二番手だけ挙げときましょう。

 本当は正代と言いたいところだが、勝ち越すのが精いっぱいの大関には絶対無理です。この絶対は自信を持って断言できます。貴景勝も苦しい場所になるでしょう。

 こうなったら清水の舞台から飛び降りる気持ちで御嶽海としましょう。優勝2回の実績がどうしても捨て難く、調子に乗ると2桁の星は挙げるだけのものがある。続いて名前だけでも良かったら高安にも頑張ってもらいたい。それから大関に敬意を表して貴景勝と正代。情けない予想だが、こんなものだろう。とにかく照ノ富士が崩れたら幕内力士全員にチャンスがあるということだ。

 いろいろ書いてはみたが、結局、照ノ富士次第である。だから優勝争いにはさほど興味はない。それより豊昇龍、明生、それに三枚目まで番付を上げてきた宇良に期待をしたい。

 初日、豊昇龍は正代と顔が合っている。たしか内掛けで連勝している。今場所はどんな手が飛び出すか楽しみである。正代は今夜は寝付きが悪いことだろう。

 宇良は宝富士と対戦する。すっかり正攻法の相撲に大変身したようだが、さぞかし苦労したことだろう。炎鵬が十両に落ちてさびしくなったが、今度は宇良が活躍する番が来たようだ。けがをしないで頑張ってもらいたい。

 新十両の北青鵬が休場することになった。残念な休場だが、相手がコロナでは話にならない。

 それでは先程も述べたが、オリンピックの選手たちに負けないような感動的な場所になるよう全力士の健闘を祈る。私も老骨にムチ打って「はやわざ御免」に挑戦しよう。

 今場所は少し厳しくなりそうだが、悪く思わんでもらいたい。それでは15日間よろしくお願いします。(元横綱)

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