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船の世界
くれない丸が生きていました。
「ロイヤルウイング」はもともと、大阪・神戸と別府を結ぶ瀬戸内海航路用の観光船として建造された船です。
1960(昭和35)年2月に竣工した当初は「くれない丸」と呼ばれ、クルーズ客船として人気を博しましたが、長距離フェリーの台頭や山陽新幹線の博多延伸などの影響を受け、客足が低迷。その結果、1980年代後半にレストランシップへと改装され、1989(平成元)年より横浜港大桟橋を母港とするようになりました。
2020年には竣工60年を超え、現役で稼働する日本の客船としては最古参となりましたが、前述した要因などから、このたび営業を休止する運びになった模様です。
初代南極観測船“宗谷”
南極観測船“しらせ”
機関室(エンジンルーム)から
煙が出てない! LNG燃料フェリー「さんふらわあ」ついに就航 国内初 大阪~別府航路“新時代”へ
「さんふらわあ くれない」は、1997年12月に就航した「さんふらわあ あいぼり」(9245総トン)の代替船として、三菱重工業下関造船所(山口県下関市)で建造されました。伝統工芸品である別府竹細工など和のイメージを取り入れた内装を施し、クルーズ船のような丸窓を取り付けています。フェリーさんふらわあは、定期航路で豪華な船旅を気軽に楽しめる「カジュアルクルーズ」を掲げて新造船を送り出してきましたが、その最終形態に位置付けられています。
3フロア吹き抜けのアトリウムを中心として、展望大浴場の面積やレストランの席数も1.5~2倍と、大型の船体を生かし充実した設備を整えました。客室もほぼ個室化されたこともあり、旅客定員は既存船とほぼ変わらない716人に抑えられています。
「幅広い年代、特にファミリー層に乗ってほしい。スペースを広く取っており、子供も自由に動き回れる。レストランでは瀬戸内の味を提供する予定で、食事も楽しんでいただければと思っている」(赤坂社長)
目玉は、最上階の8階に置かれたスイートクラスのフロア。客室にはデッキチェアを備えたバルコニーが設けられており、外で風を感じながらフェリーでのひと時を過ごせます。特に日が長くなる夏は、瀬戸内海の風景を明るい時間に眺められます。
また、スイートとデラックスクラスには2つの部屋を内扉で繋げる「コネクティングルーム」が国内の長距離フェリーでは初めて設置されており、最大で7人が利用できるようになっています。
ドライバーズルームも居住性が向上しており、通常はトラックドライバーのみが利用できますが、ゴールデンウイークなどの多客期に「スタンダードシングル」として一般販売ができるようにしています。