逸品の世界
ちょっと気になる逸品の世界
「奥の細道」画巻 下巻 山刀伐峠[ おくのほそみち がかん げかん なたぎりとうげ]
2022-06-14
Facebook 阪急文化財団さん曰く
蕪村 ─時を旅する 24
館長の仙海です。逸翁美術館「蕪村 ─時を旅する」展、後期(~6/26)の陳列品をご紹介します。
「奥の細道」画巻 下巻 山刀伐峠[ おくのほそみち がかん げかん なたぎりとうげ]
宮城県から山形県へ幾つもの山を越える道中、山刀伐峠越えは山賊も出るという難所でした。
険しい山道を進んでいく心細さを表すかのように、芭蕉と曾良とがくっつき合って歩を進めます[拡大画像 1]。腰が引けがちな芭蕉を、曾良が後ろから手を差し入れて腋を支え、助けています。
一方、先導する若者は、鮮やかな縞の着物を尻からげて太ももを露わに、威勢良く若々しさが強調されます[拡大画像 2]。さらには右肩を脱いで、杖を持つ腕の筋肉の盛り上がりを見せています。手足を大きく広げ、活発で逞しい様子は芭蕉たちと対照的です。
なおなお、京都国立博物館で新出の与謝蕪村筆「奥の細道図巻」が展示されるということでビックリです。当館の作品も併せてご覧にいらっしゃってください。
蕪村 ─時を旅する 25
館長の仙海です。
逸翁美術館「蕪村 ─時を旅する」展、後期(~6/26)の陳列品をご紹介します。
「奥の細道」画巻 下巻 市振[ おくのほそみち がかん げかん いちぶり]
新潟県まで下ってきた芭蕉たちは、市振(糸魚川市)に宿ります。同宿した伊勢に参る新潟の遊女たちが、伴の男を里に返す場面に出会いました。
二人の女性は、それぞれに花柄の大振りな模様の衣装を着けています[拡大画像 1]。一人は袖で目頭を押さえ、別れを悲しむ様子です。もう一人は左手を畳に突き、右手で紙片を差し出して、意思の見える態度をとっています。
紙包みは里への便りでしょうか、男への心付けでしょうか。
地味な着物の男性は、笠や風呂敷包みを後ろに置いて、ちんまりと坐り込んでいます[拡大画像 2]。
男性は片手で目を覆い、肩を持ち上げ、口を大きく開けて声を出して泣いているようです。
蕪村はまるでこの場面を見ていたかのように、描く画中の人物の表情や仕草から喜怒哀楽それぞれの想いが伝わってきます。
京都国立博物館の新発見!蕪村の「奥の細道図巻」と併せてご覧ください。
花祭窯 藤吉憲典(ふじよしけんすけ)です
2022-06-04
こんにちは。花祭窯 藤吉憲典(ふじよしけんすけ)です。蕎麦猪口と小皿豆皿は、磁器作家としてのわたしの大切なライフワークです。
初めて作家ものの器を手にする方から、陶磁器の奥深さを熟知しておられる方まで、それぞれに楽しんで使っていただけるのが、蕎麦猪口と小皿豆皿だと思います。
皆さんの毎日の生活シーンに、彩を添える器をお届けできれば幸いです。
染付海老絵吹墨法螺貝形向付 五客
2022-06-04
(高さ 5.5cm 幅 19.9cm)
古染付は明時代末期に景徳鎮民窯で造られ、日本に輸出された焼物です。自由闊達な絵付けや動植物を象った意匠は多くの日本人を魅了し、現在まで親しまれてきました。
貝形の澄んだ白地に鮮やかなコバルトが吹墨され、その中を漂うように目出度い海老が可愛らしく描かれており、茶室を爽やかに彩る向付です。
石洞美術館
2022-06-04
金銀糸 寺島保太良商店 | 金銀糸について (terayasu.com)
2022-05-19
本金糸は読んで字のごとく本金箔を使用して製作している金糸です。
材料は純度の高い本金箔を使用いたしますし、その製作工程においても職人の手作業による部分が多くとても付加価値の高い品物となります。
しかしそれゆえに本金糸の放つ光沢は非常に美しく、その輝きはいつもでも色あせないものとなります。
本金糸は先ず原反となる和紙に漆を引き、その上に本金箔を職人の手により1枚1枚丁寧に押してゆきます。
和紙の永尺の原反に数千枚の金箔を手作業で押してゆく箔押しの作業において、非常に扱いの難しい金箔を竹はさみで運んでいく手さばきは見事なものです。
その手さばきもさることながらですが、じつは金箔の光沢や定着を決定付ける漆の状態は作業するその日の湿度や温度に大きく左右されます。
その漆の状態の見極めもやはり長年の経験と勘が必要とされる職人技の領域といえます。
そのように出来上がった原反を細く裁断し、芯糸に寄り付けたものが本金糸となります。
材料は純度の高い本金箔を使用いたしますし、その製作工程においても職人の手作業による部分が多くとても付加価値の高い品物となります。
しかしそれゆえに本金糸の放つ光沢は非常に美しく、その輝きはいつもでも色あせないものとなります。
本金糸は先ず原反となる和紙に漆を引き、その上に本金箔を職人の手により1枚1枚丁寧に押してゆきます。
和紙の永尺の原反に数千枚の金箔を手作業で押してゆく箔押しの作業において、非常に扱いの難しい金箔を竹はさみで運んでいく手さばきは見事なものです。
その手さばきもさることながらですが、じつは金箔の光沢や定着を決定付ける漆の状態は作業するその日の湿度や温度に大きく左右されます。
その漆の状態の見極めもやはり長年の経験と勘が必要とされる職人技の領域といえます。
そのように出来上がった原反を細く裁断し、芯糸に寄り付けたものが本金糸となります。
本金糸には芯糸はおもに細い番手には黄色に染めた正絹糸、太い番手にはレーヨンや綿を使用しています。
使用する本金箔については当店では以下の種類をご用意いたしております。
金箔押し上げ金糸
○純金色(金箔1号色)純金97.66% 純銀1.35% 純銅 0.97%
○本金山吹色(金箔4号色)純金94.43% 純銀4.90% 純銅 0.56%
○本金ツヤ色(金箔仲色)純金90.09% 純銀9.09%