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美味求真

美味求真【食事】

世界・地域の食卓から

2021-01-28

食時の形

2021-01-16
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35014150V00C18A9AA2P00
Facebook平野めぐみさんより

おはようございます。
今日、明日と大学入学共通テストが行われます。
また、私立中学校の入試の真っ只中です。お子さん、お孫さんの入試でハラハラドキドキなさっていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。受験生のみなさん、コロナで大変ですが、今までの頑張りを発揮していただきたいです。頑張れ受験生!
さて、私立中学校の入試は、時として奇をてらった問題が出題されることがあります。
我が家の息子が受けた学校の入試で、馬の顔を正面から見た絵を描きなさいという出題がありました。
さて、2016年の慶應義塾中等部の入試問題に、和食の配膳やマナーなどについての出題がありました。
(問7)
和食の配膳で正しいものを選びなさい。
下の写真をご覧になってください。
問8 
和食のマナーとして正しくないものを選びなさい。
1 汁ものから口をつける
2 茶わんやおわんを手に持って食べる
3 料理を一品ずつ食べきってから次の料理を食べる
問9
おせち料理には、「昆布巻き=よろこぶ」、「数の子=子どもがたくさん生まれるように」などのように、おめでたいこと・願いごとと結びつけられている品目がたくさん含まれています。そこで、あなたがおせち料理に新たに加えたい一品を挙げ、それと結びつけられるおめでたいこと・願いごとを20字以内で答えなさい。
問10 
フランス料理が出されるときの⑦決められた順序で正しいものを選びなさい。
1 前 菜 → 肉料理 → スープ → 魚料理 → デザート
2 前 菜 → スープ → 魚料理 → 肉料理 → デザート
3 スープ → 前 菜 → 肉料理 → 魚料理 → デザート
問11
フランス料理のマナーとして正しくないものを選びなさい。
1 皿を手に持って食べる
2 食事の合問に一息つくときは、フォークとナイフを「ハの字」にして皿の上に置く
3 食べ終わったら、フォークとナイフをそろえて皿の上に置く
これら、お答えになれましたでしょうか?
これを解答するのは、小学6年生、12歳の子どもたちです。
解答
問7 1 
問8 3 
問10 2 
問11 1
問題出典
この和食の配膳では、1が正解です。
なぜ、このように配膳がされるのか、調べてみました。
【和食の配膳】
和食は基本的に『一汁三菜』(いちじゅうさんさい)です。
一汁三菜とは「ご飯に汁もの、主菜、副菜、副々菜」からなる、和食の定番の構成のことです。
和食の基本の献立
* 主食(ご飯)
* 汁物(お味噌汁・お吸い物など)
* 主菜(焼き魚・刺身など)
* 副菜(煮物、卵焼きなど)
* 副々菜(野菜の胡麻和え、お浸しなど)
それぞれ置く位置が決まっていて、この『一汁三菜』の置き方が和食の並べ方の基本となります。
【和食の配膳の2つのポイント】
①左手前にご飯、右手前に汁物を置きます。
② おかずは奥に置き、左から副菜・副々菜・主菜の順番で並べるのが正しい配膳です。
左にご飯を置くのは、日本は右利き文化なので、右手でお箸を持った時に食べやすい並べ方になっています。それと共に日本は左側に重要なものを配置する「左上位」の伝統があるので、左側に主食のご飯を配置すると言われています。
また、副菜や副々菜が左側に置かれているのは、器が小さく手に持ちやすいからです。
そして、主菜は大皿に盛り付けられており、食べる時に置いたままになるので、右側に置かれています。
これらは全て右利きの人にとっての利にかなった配膳で左利きの人には食べにくい配膳とも言えます。
【配膳の歴史】
平安時代の貴族の公式の宴会では、大きな卓を囲んで大勢で食事をしていたと伝えられています。卓の上には数多くの料理が並べられ、個別に配膳はされていませんでした。
それが、鎌倉時代になり、武士が中心の時代になったことで、食事の様式も変化していきました。鎌倉時代から室町時代にかけて、ひとりずつの「お膳」に料理が載せられる「銘々膳(めいめいぜん)」と呼ばれる形式が広まりました。
それと共に、右利き文化が反映していったと考えられます。武士は有事の際、すぐに刀や弓を使えるように、刀など自分の右側に置いていたものです。そういえば、先週の、NHKの大河ドラマ「麒麟が来る」で、明智光秀と織田信長を裏切る松永 久秀が酒を酌み交わす場面で、松永 久秀が刀を刀を自分の右側に置いていたことから、明智光秀は松永 久秀が自分を切るつもりがないと判断していました。武士にとって、右利きが有利だと考えられ、そのため左利きは矯正されてきたようです。
右利きだとお箸を持つ手が当然、右に。ごはんの器を頻繁に持ち上げるのは、左手に。このため、ごはんは左手前になりました。
お皿を置いたままお頭つきのお魚を食べる場合、左の指で頭を押さえながらそして右の箸で食べることになります。ですから、お魚は右にということになってなります。
これは、あくまでも右利きの人の場合であり、このような配置では、左利きの人はとても食べづらい状況ではあります。
【和食の配膳 関東と関西の違い】
この和食の配膳、関東と関西で少し違っているのです。
情報サイト「Jタウンネット」は2018年1~2月に都道府県別に味噌汁の位置についてアンケートを実施しました。大阪府、京都府、兵庫県の3府県では「左奥」が70%以上にのぼり、関西から中国地方にかけて左奥派が多数を占めました。
一方、東京都は「右手前」が38.5%、埼玉県も41.9%と多数派は右手前でした。右手前派が85.7%と高水準の群馬県は北部で大豆が多く栽培されています。味噌を好む県民性といい、味噌汁の格が高いため手前に置く人が多いようです。
関東(東京)では、お味噌汁は右手前、ご飯の右隣に置くことが多いのです。これは、関東では味噌汁を好んで飲む人が多いためのようです。
また、関西では、大阪では左奥(ご飯の上)に味噌汁を配膳するようです。関西人の感性としては、手前にお味噌汁があったら奥のおかずを食べる時に邪魔ということもあるのかもしれません。
また、商人気質が影響して、主菜は手前に置くと見栄えが良いし、おいしく見せようという考えを反映しているのではないでしょうか。
また、大阪は味噌の消費量が少ないのです。総務省の家計調査(2人以上世帯)によると15~17年の味噌の消費量の平均は大阪市が3217グラムと全国52都市の中で最少でした。全国平均の5317グラムと比べても4割も少なくなっています。また、大阪や京都では商業の発達に伴い食べやすい茶漬けなどが好まれ、熱くて飲みにくい汁物を避ける傾向があり、これが現代に受け継がれているとも言われています。
これらは全て憶測で明確な理由はわかりません。
都道府県別味噌汁の位置
出典https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35014150V00C18A9AA2P00
和食というと、なんだか堅苦しく感じられますが、毎日の食事ということで考えていくと当たり前のこととして捉えられると思います。日本の文化では、「型」というのが、とても大切にされます。それが基本になります。
アレンジは、そこからです。毎日の食卓、改めて眺めてみられたらいかがでしょうか。!

稲取のキンメダイです。

2021-01-14
Facebook鈴木 弘康 より

稲取のキンメダイです。

2021-01-14
Facebook鈴木弘康さんより
Facebook鈴木弘康さんより

すべては、ここから始まりました。 私の初体験は、この11年後の事でした。

2021-01-07
回転ずしを生んだ元禄寿司の道頓堀店。当時は4、5貫載った皿も回っていた=1962年、大阪市
Facebook永井由紀夫さんの投稿
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