MLB
【大リーグからメジャーへ】
「カブスの今永昇太との契約はギャンブルだ」
大リーグのカブスと4年総額5300万ドル(約77億4000万円)で契約した今永昇太投手(30)について米メディアのジ・アスレチックは13日(日本時間14日)、今回の契約を「ギャンブルだ」と懸念。その理由として「今永はフライボール投手だ。NPB(日本プロ野球)でも外国人選手相手の成績はパッとせず、OPSは・800くらいだった」とした。
さらに「サイズが小さく(178センチ、79キロ)、投球に波がある。加えて日本での中5日の登板からメジャーでの中4日に適応する必要があり、耐久性も心配なところだ」とした。
カブスのジェド・ホイヤー編成本部長は「私は『市場規模が小さな球団』のメンタリティーを持っていたい。つまり、契約において過小評価されている選手の価値を見出すようトライしたい」とコメント。たとえ今永に関する懸念材料が取り沙汰されようと、独自の鑑識眼で他球団に見えない価値を見抜いていると示唆した。
野茂英雄
ドヤ顔で爆笑会見も…“粋な演出”に「もう掴んでる」
カブスの応援歌「Go Cubs Go」の歌詞を引用し英語でスピーチ
第一声で会場を鷲掴みにした。DeNAからポスティングシステムを利用してカブスへ入団した今永昇太投手が12日(日本時間13日)に入団会見を行った。流暢な英語のスピーチを披露し、「ドヤ顔最高」「早速やっとるわ」「もう掴んでる」と大盛り上がりだった。
カブスのユニホームを着用すると、第一声で「Hey,Chicago!」「What do you say? The Cubs are gonna win today」とカブスの応援歌「Go Cubs go」の歌詞を引用して英語で自己紹介。会場は大盛り上がりで、隣で通訳を務めた村田慎吾氏も思わず爆笑していた。
最後は「I’m looking forward to meeting fans and teammates. Go Cubs go!」と締めると、会場は拍手喝さい。粋な挨拶に「あんな挨拶できる人おらんやろ」「カブスファンの心をしっかりとつかんだね」と称賛の声が多くあがっていた。
GO, CUBS, GO♪ GO, CUBS, GO♪
1908年以来、シカゴ・カブスが108年ぶりの“世界一”を成し遂げ、長年にわたって語り継がれてきた「ヤギの呪い」を解いたワールドシリーズ第7戦。その試合後、カブスの勝利ソングである「Go, Cubs, Go」がスタンドにこだまするのが、中継画面の向こうから聞こえてきた。
レギュラーシーズン、ポストシーズンを通じ、カブスは本拠地リグリー・フィールドでチームが勝つたびに、この曲を流してきた。だが、ワールドシリーズ最終戦の舞台となったのは、敵地プログレッシブ・フィールド。当然ながら場内のスピーカーからカブスの勝利ソングが流れることはない。それでも敵地に詰めかけた多くのカブスファンが、勝利の余韻に浸るように声を合わせてこの曲を歌い上げていたのだ。
シカゴ生まれのシンガーソングライターで、子供の頃からカブスファンだっだというスティーブ・グッドマンが、「Go, Cubs, Go」をレコーディングしたのは1984年のこと。シーズン開幕前に行われたレコーディングセッションには、当時の主力だったゲイリー・マシューズ・シニア、キース・モアランド、ジョディ・デイビスらも参加していたという。そしてこの年、カブスは東西2地区制導入後、初めてナショナル・リーグ東地区を制覇。「ヤギの呪い」がかけられたとされる1945年以来、39年ぶりのポストシーズン進出を果たした。
しかし、1948年生まれのグッドマンが、ポストシーズンの舞台で戦うカブスの姿を見ることは、ついぞかなわなかった。20歳の頃から白血病との闘いを続けてきた彼は、カブスが初の地区優勝を決める数日前に、36歳の若さでこの世を去ったからだ。
グッドマンの死後も「Go, Cubs, Go」はカブスのチームソングとして使われたが、数年後にはビーチボーイズの「Here Come the Cubs」に取って代わられると、リグリーでの勝利ソングはその後、クール&ザ・ギャングの「Celebration」、KC&ザ・サンシャイン・バンドの「Get Down Tonight」などに変わっていった。
グッドマンの曲がふたたび日の目を見ることになったのは、2007年シーズンからだ。この年、あらためて「Go, Cubs, Go」が勝利ソングとして採用されると、カブスはルー・ピネラ新監督の下で4年ぶりの中地区制覇(1994年の3地区制導入時に東地区から移転)。さらに翌2008年は初の地区連覇を成し遂げた。以来、カブスが勝つたびに場内に流れる「Go, Cubs, Go」に合わせてファンが合唱するのが、リグリーにおける“お約束”となった。
2016年シーズン、「Go, Cubs, Go」はカブスファンによって実に57回も歌われ、プレーオフでも計4回歌われた。そして10月30日、ワールドシリーズでは71年ぶりにカブスが本拠地で勝利を収めると、メジャーリーグの頂上決戦で初めてグッドマンの歌声がファンの合唱と共にリグリー・フィールドに広がった。
最後にワールドシリーズを制してから108年、「ヤギの呪い」から71年、そしてグッドマンの死から32年……。カブスがついにワールドチャンピオンに上り詰め、自らの曲が敵地でファンに歌われているのを見たグッドマンは、往年の名物アナウンサーであるハリー・ケリー(1998年死去)と共にあの世で「Holy cow!(なんてこった!=ケリーお得意のフレーズ)」と叫んだに違いない。
アトランタ・ブレーブスと共に1871年創設の古い球団であり、創設以来本拠地を移転していないチームとしては最も長い歴史を持つ。
MLB黎明期はナショナルリーグ優勝16回、ワールドシリーズ優勝2回を誇る強豪だったが、その後は長期に渡って優勝を果たせず、リーグ優勝は1945年から2016年まで71年間、ワールドシリーズ優勝に至っては1908年から2016年まで108年間遠ざかっていた。
2003年のフロリダ・マーリンズとのナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ(NLCS)第6戦では、ワールドシリーズ進出まであとアウト5つまで迫りながら、ファウルボールを取ろうとしたファンの妨害が一因となり敗退。これは、かつて山羊を連れて観戦しようとしたところ入場を拒否された「ビリー・ゴートの呪い」ではないかと言われている。
しかし、この呪いも2016年のリーグ優勝により解かれることになった。
MLB屈指の人気チームであり、同じくシカゴを本拠地とするシカゴ・ホワイトソックスを人気面では凌駕している。
ホワイトソックスが市南部で人気があるのに対し、カブスは市北部での人気が高い。
ナイトゲームの試合数が制限されるリグレー・フィールドをホームスタジアムとしながら安定した集客を誇っている。
同地区のセントルイス・カージナルスと熾烈なライバル関係にあり、イリノイ州内の地域によってはホワイトソックスと共に人気を三分している。
本拠地球場のリグレー・フィールドは、ボストン・レッドソックスのフェンウェイ・パークに次ぎ、MLBで2番目に古い球場として有名。
外野フェンス全体を覆うツタが名物となっており、これは1937年に当時のオーナーであるビル・ベックが考案したものである。
MLBではナイターが1935年に初めて開催された一方、リグレー・フィールドでは当時のオーナーの意向でデイゲームしか開催されず、初めてのナイターは1988年のことだった。
2008年4月23日にサンフランシスコ・ジャイアンツに次いでMLB通算10,000勝に到達。
今永昇太はカブスへ!!
DeNAからポスティング(入札)制度でメジャー挑戦を目指していた今永昇太投手(30)は9日(日本時間10日)、カブスとの契約に基本合意した。10日の身体検査後に正式発表される見込み。米スポーツ専門局ESPNによれば、基本契約は4年総額5300万ドル(約77億1000万円)。出来高次第では総額8000万ドル(約116億4000万円)との米報道もある。
ニューヨーク・ポスト紙のジョン・ヘイマン記者は10日、カブス地元AM局WSCRに電話出演。今永が他球団から提示されたはるかに高額なオファーを蹴っていたと明かした。
「私が分かっている範囲では、少なくとも他の1球団が今回のカブスとの契約の2倍以上の金額を支払おうとしていた。シカゴのピザやホットドッグ、もしくは(カブス編成本部長)ジェド・ホイヤーを気に入ったのかは分からないが、彼らはやり遂げた」
今永昇太やサイ・ヤング賞スネルらの争奪戦本格化へ
今オフの移籍市場で有力選手ランク1、2位に位置づけられていた大谷、山本のドジャース入りが決まったことで、メジャーのFA市場もさらに動きが活発になりそうだ。
先発投手で次に争奪戦が本格化しそうなのがDeNAからポスティングで移籍を目指している今永昇太投手(30)、今季パドレスで2度目のサイ・ヤング賞に輝いたB・スネル投手(31)らだ。先発補強へ本腰を入れるヤンキース、レッドソックスなどは大谷、山本を逃したため、次ランクを狙う“プランB”に切り替えることになる。
打者では19年MVPのC・ベリンジャー外野手(28)らの動向にも注目。日本ハムからポスティングの上沢直之投手(29)、オリオールズからFAの藤浪晋太郎投手(29)はクリスマス休暇などで今後、市場の動きが鈍くなることが見込まれ、越年となるか。上沢の交渉期限は24年1月11日(日本時間12日)に迫っている。