鉄の今
【今の鉄路】
【超快適】近鉄特急「ひのとり」
京阪乗る人おけいはん
新幹線との共用区間「青函トンネル53km」を貨物列車に添乗して北海道に上陸した
《青函トンネル貨物列車添乗ルポ》「ピイッ!」鋭い気笛を合図に、3059列車は青森信号場を出発した から続く
目の前に新幹線の巨大なアーチ橋が見えてきた。津軽線と別れたわが列車は、その橋をくぐると勾配を登りながら弧を描くようにして新幹線に寄り添い、大平トンネルの直前で新幹線の線路に吸い込まれた。
2030年度末の北海道新幹線札幌延伸後、北海道と本州を結ぶ青函トンネル内における新幹線の高速走行と貨物列車の走行を両立させる方法について国土交通省が検討を進めているが、その最新状況が編集部の取材で明らかになった。
青函トンネルとその前後の区間(青函共用区間)82kmは新幹線と在来線の両方が走行する。在来線はごくたまにJR東日本の「トランスイート四季島」などが走ることもあるが、大半はJR貨物の貨物列車である。
東北新幹線の最高速度は時速320kmで、盛岡以北は時速260kmと定められているが、貨物列車の最高時速は110km。青函トンネル内を新幹線が時速260kmで走れば前方の貨物列車に追いついてしまう可能性がある。高速走行する新幹線が貨物列車とすれ違う際に、風圧で貨物列車のコンテナが変形するリスクも指摘されている。このため、青函トンネルにおける新幹線の最高速度は時速160kmに抑えられている。
国鉄気動車急行の決定版!のはずが… キハ65形、後に“ジョイフルトレイン化”続々のワケ
特急形以上の500馬力エンジンを搭載
国鉄の気動車開発は、エンジンに悩まされた歴史でした。国鉄は1960(昭和35)年より特急形気動車キハ80系を登場させ、翌年に同じエンジンの急行型気動車キハ58系を登場させたのですが、この両者のエンジンは、1台180馬力とパワーがありませんでした。
なぜならこのエンジンの基本設計は戦前に遡り、設計が旧式だったからです。1935(昭和10)年製のガソリンエンジンをディーゼルエンジン化したものが、1951(昭和26)年に完成したDHM17形というエンジンですが、出力は150馬力のままでした。その後1958(昭和33)年に180馬力へと改良されたものの、過給機での出力向上も失敗してしまいます。