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時機相応

時機相応について  時代の中で、この人は、どう生きたか?

中島貞夫の世界 日本巨匠目録

2023-07-12
名取裕子のヌードもいとわぬ体当たり演技が話題に ターニングポイントとなった作品「序の舞」(1984年)
体を張った名取裕子 © zakzak 提供

エロスとヤクザ。不本意な路線で突っ走ってきた中島貞夫監督。だが、本心は別にあった。山本周五郎のような時代劇を撮ってみたいと。ようやくめぐってきたのが、名取裕子の初主演による「序の舞」だった。

原作は宮尾登美子。明治期の女性日本画家として名をはせた上村松園がモデルだ。いわば純文学の世界。急行列車から、急に鈍行に乗り換えたようなものだ。

宮尾の作品は、これまで「鬼龍院花子の生涯」(1982年)と「陽暉楼」(83年)が映画化されているので3度目の映画化となる。

しかも名取もそれまでパッとしなかった女優人生だったが、「映画情報」84年1月号によれば「遅れてきたユーコがこの映画でようやく女優開眼の好機到来」と書いている。中島も名取もやっと宝物を手に入れたといえるだろう。


名取は青学在学中にカネボウの「ミス・サラダガールコンテスト」で準優勝し芸能界入りしている。ちなみにその時の優勝者は古手川祐子だった。

名取は本作でヌードもいとわない体当たり演技を披露し、話題になった。この後「吉原炎上」(87年)でも裸の演技でファンを魅了しているから、いわばターニングポイントといってもいい。

東映としては最初、佐久間良子主演、蔵原惟繕監督を予定していたが、蔵原は「南極物語」のキャンペーンで忙しいと断ってきた。そこで中島にお鉢が回ってきた。

ヒロインの津也の青年期は田中裕子にオファーしたが断られたので、同じ裕子ということで名取の名が挙がったという。小林綾子は「おしん」のヒットで引っ張りだこ。各社の争奪戦が起こっていたが、東映の所属とあってすんなり決まった。

中島は監督に決まると「場違いという感じはするが、女性を描きたくて映画界に入ったので、この映画と心中するつもりでがんばりたい」と当時のインタビューで答えている。

映画化には上村松園の息子、松篁は前向きだったが、孫が反対していたという。日下部五朗が「シネマの極道 映画プロデューサー一代」(新潮社)で明かしている。ところが孫娘の夫が当時の国税庁長官の福田幸弘という大物官僚。彼は大の映画好きとあって、急転直下、承諾が取れてめでたしめでたしとなった。 (望月苑巳)

■中島貞夫(なかじま・さだお) 映画監督。1934年8月8日生まれ、千葉県出身。東京都立日比谷高校、東京大学文学部を経て、59年に東映入社。助監督時代はマキノ雅弘、沢島忠、田坂具隆、今井正らに師事する。64年、「くノ一忍法」で監督デビュー。2023年6月11日、88歳で死去。

大分県で初の女性首長 元厚労省官僚の椋野氏が日田市長選で初当選

2023-07-09
大分県日田市長選で初当選を決め、支持者から贈られた花束を掲げる椋野美智子氏=2023年7月9日午後10時13分、大分県日田市若宮町、白石昌幸撮影 © 朝日新聞社
朝日新聞社 によるストーリー

大分県日田市長選は9日に投開票され、無所属新顔で元厚生労働省官僚の椋野美智子氏(67)が、現職の原田啓介氏(64)と新顔で元市議の佐藤功氏(68)を破って初当選を果たした。
椋野氏は大分県内で初の女性首長となる。
当日有権者数は5万1561人。投票率は58・1%(前回64・66%)で過去最低だった。

英国上流階級 子どもの教育事情

2023-05-09
にしぐち瑞穂のロイヤルスクープ|25ans

【ノーカット】田中角栄元首相の応援演説 in 福井 1983年(映像アーカイブ)

2022-11-07

内親王殿下は、初体験でした。

2022-11-07
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