大谷派の作法とお荘厳
【Face bookのページ】 真宗大谷派の作法とお荘厳
真宗本廟の仏事
山科別院で報恩講が厳修され、ご門首がご出仕なさいました。
9月24日から25日までの2日間、京都市山科区にある真宗大谷派の別院・山科別院にて「報恩講」が勤まりました。
「報恩講」とは、浄土真宗の宗祖・親鸞聖人の御命日を縁として、その恩徳に感謝し報いる法要で、真宗門徒にとって、一年の中でもっとも大切な仏事であり、全国の別院でも毎年勤まっています。
本年の山科別院での報恩講には、本年7月1日付けで門首に就任した大谷暢裕門首が、門首として初めて、別院での報恩講に出仕しました。(25日)
新型コロナウイルス感染症の拡大が懸念される本年は、受付で手指の消毒と検温が実施され、約20名の方が参拝されていました。
参拝の方からは、「感染症拡大の影響で、今年は別院に隣接する大谷専修学院の学生の参拝がないので寂しい」との声もありましたが、「さまざまな行事や儀式が中止されている中ではあるが、今年もまた報恩講にお参りできてうれしい」というよろこびの声を聞くこともできました。
2020夏の得度式
遅い梅雨明けから一転、厳しい暑さとなった8月4日(火)と7日(金)に、真宗本廟(東本願寺)にて得度式が行われました。
得度式とは、僧侶となるための儀式で、一部の月を除き月1回行われていますが、毎年8月は、夏休み期間ということもあり多くの子どもたちが受式するため、2回、式が執り行われています。
真宗大谷派では、親鸞聖人が9歳で得度されたことにちなみ満9歳から受式することができます。また、聖人が真夜中に受式された故事により、お堂を締め切り、照明を消した中で行われます。
4日に行われた「臨時得度式」には、9歳の小学生42名を含む83名が受式。白装束姿の受式者たちは、御影堂にて大谷暢裕門首から「剃刀(ていとう)の儀」を受けました。
今年は新型コロナウイルス感染症の対策として、受式者・付添人への検温実施及びマスクの着用、付添人の限定、アルコール消毒液の設置等を行い、堂内においても、マスクを着用し、受式者同士の間隔をとって着座した状態で儀式が執り行われました。
なお、予防措置として、バスで移動する大谷祖廟参拝及び、度牒(どちょう)(真宗大谷派僧侶であることの証書)伝達式は中止となりました。
このような中での執行となりましたが、仏弟子としての法名を授かり墨袈裟を着けた受式者は、緊張し引き締まった表情で僧侶としての一歩を踏み出しました。
なお、本日7日にも得度式が執り行われ、76名の方が受式、今年の8月は合わせて159名の方が新たに僧侶となりました。
このたび、真宗本廟東本願寺境内の建物6棟が「重要文化財」として指定されることとなりましたのでお知らせいたします。
指定される建物は、「御影堂」「阿弥陀堂」「御影堂門」「阿弥陀堂門」「鐘楼」「手水屋形」の6棟で、いずれも1864年に起こった「禁門(蛤御門)の変」による焼失後、明治期に再建された建物です。
引き続き、皆様のご参拝を心よりお待ちしております。
真宗大谷派の衣体(ころも)等について
作法について
御文拝読
葬儀の『木花』(凶事用の仏花)を立てる
日常生活で出来ること
大谷派のお荘厳について
華瓶(けびょう)
火舎香炉と同じく真鍮でできた壺型の器です。
上卓前部の両端に置きます。
水は華瓶に入れ、樒(しきみ)を挿して香水としてお供えをします。
本来、青蓮華や香木を用いるのですが、
日本においては、青蓮華も香木も産しないので、
抹香の原料である樒を香木と認識して、
青蓮華の代用にしたといわれます。
華瓶以外にコップなどに水を入れてお供えする事はいたしません。
華瓶がない場合はあえて水を供える必要はありません。
火舎香炉の関連知識
仏様を供養するには様々な方法がありますが、
その基本となるのは
香(こう)・華(げ)・燈(とう)・飲食(おんじき)の四種で、
仏前に香をたき、華を飾り、燈明をともし、仏供飲食を供えます。
中でも香は最も中心をなすもので、
古くからインドにおいても重視されていたことが知られています。
仏前に焼香するための香炉は、
その形式や用途から幾種類かに別れ、
密教で主として用いられるのが火舎香炉です。
その形式は
鍔形の縁をつけた浅い目の火炉の下に三脚を備えたもので、
頂上に宝珠形の鈕(つまみ)をつけた香煙を出す孔饅頭形の蓋をかぶせたものです。
この三脚つきの火炉の形は
すでに中国の唐時代に流行していたことが知られており、
わが国でもその伝来は早かったようで、法隆寺の玉虫厨子の絵にも描かれています。
土香炉(どごうろ)
中尊前において三具足、五具足を荘(かざ)るとき、
金香炉は使用せず、その代りに透し入り土香炉を使用します。
「なかご」といわれる落しの入った、唐草模様の透し入りの青磁香炉です。
土香炉は三本足です。
その一本を正面にしましょう。
土香炉はすべて燃香用としての役割を持っています。
燃香とは、
土香炉に抹香(まっこう)を盛り、これに火をつけた附茸(つけだけ)で燃ずることです。
抹香とは樒(しきみ)やあせびの葉を乾燥させて粉末にしたもので、
附茸とは古木に生じた白い茸(きのこ)を乾燥させたもの、
また、竹の先端に硫黄を塗ったものともいわれます。
今のマッチに代わるものです。
現在では線香がその両者の代用として使われます。
土香炉の関連知識
お香は私たちの体臭を消して心身をしずめるはたらきがあり、
人びとにひろくゆきわたる清浄な如来の徳もあらわしています。
お香のたき方には、焼香と燃香とあり、
焼香とは、火だねを入れた香炉に沈香や五種香をたく仕方です。
燃香とは、もと香炉の中に敷いた香につけ火したもので、
その習慣は、実如上人の頃から行われていたと言われますが、
その後、中国から伝えられた「線香」が天文年間(十六世紀)から燃香の簡単なかたちとして発達し、
江戸時代にはひろく普及し、燃香を代用するようになりました。
その点からいって
、線香は香炉の中に折ってねかせるのが本義といえます。
真宗では、線香を立てないで、土香炉に入るように折ってねかせます。
本数は何本でもよろしいが、むやみにもやす必要はありません。
おつとめのはじめの時間しかもえていなくても、
香りが部屋にいきわたればそれでいいのです。
火舎香炉(かしゃごうろ)
火舎香炉とは
焼香を行うための香炉で真鍮で出来ています。
一般には三脚がついた幅広い縁の炉に、
宝珠形のつまみのついた蓋を乗せたもので、
蓋には煙出しの穴が空いています。
置く場所は上卓上の真ん中です。
三本足の一本を正面にして置いてください。
ただし在家用の物は小さいので、実用には適していません。
寺院では、仏前を清らかにするために、この火舎香炉で焼香を行います。
真宗大谷派では、火舎香炉の前に香盒(こうごう)を置きます。
香炉(こうろ)
燭台
鶴亀の燭台は亀の背中にのった鶴が、口に蓮軸をくわえている姿のもので、
燭台としては室町時代よりこの形式のものがあります。
鶴亀は蝋燭を立てる燭台ですが、
立燭(りっそく)をしない時は朱の木蝋を立てておきます。
亀は尾の先を手前に向くように置き、
鶴は嘴(くちばし)の開いた方を右側に、
閉じた方は左側に置きます。
また連軸は蓮の実が正面になるように気をつけてください。
三具足のときは右側だけを用います。