慶讃法要850&800
宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃のページ
親鸞聖人御誕生八五〇年 立教開宗八〇〇年 慶讃法要記念 若き日の親鸞
西本願寺と東本願寺の門主と門首が対談…80年ぶり
ともに日本を代表する伝統仏教教団である浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺、京都市)の大谷光淳門主(45)と真宗大谷派(本山・東本願寺、同)の大谷暢裕門首(71)が6日、対談した。両派などによると、宗派の象徴的存在の門主・門首による対談は80年ぶりとなる。2人は世界平和や環境問題に宗教が果たす役割などについて意見を交わした。
対談は両寺で今月下旬から始まる「宗祖親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要」を前に、読売新聞が呼びかけ、それぞれが両寺を訪問する形で行われた。
両派は、いずれも門信徒が700万人を超える。2人は伝統仏教各派などでつくる「全日本仏教会」(東京)の前会長、現会長でもあり、現代における仏教の教えや宗教のあり方についても話し合った。
両寺はいずれも京都市下京区にあり、約500メートルの距離にある。しかし、門主と門首の対談は、分立した1602年以来、江戸時代にはなかったとされる。記録が確認できるのは、明治元年の1868年と戦時中の1943年の2回だけという。
この日の対談はフリーアナウンサーの中井美穂さんが進行役を務めた。誕生850年を迎える宗祖親鸞の教えについて、光淳門主は「当時、社会で差別されていた方々の立場に立っておられた。み教えから、人々の苦しみや悲しみに共感し、積極的に社会と関わる態度も形成されていく」と説いた。暢裕門首も「今だからこそ大切な教えであり、現代社会に最も必要な教えであると確信する。それをいかにして伝えていくかが大事」と応じた。
世界で紛争が絶えない現状について、光淳門主は「各人が自己の心の中にある 貪 りや怒り、愚かさを知り、それを克服しようと努めることが一人一人の幸せ、社会全体の安穏につながる」と話した。暢裕門首は「仏教の教えは、互いの違いを認め合える世界の発見を促している。互いに共に生きあえる世界があることを宗教者は強く促すことが大切」と述べた。