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モンスター井上

【 ボクシング編 】

“ダウン経験ゼロ”あの井上尚弥が苦しんだ日

2023-07-23
それでもなぜ倒れない? 元世界王者が語る“衝撃的ディフェンス力”

 ダウンを知らないモンスター。敵がなぜ倒せないのか、そこには確たる理由がある。現役時代、数々のKOシーンを演出し、卓越したディフェンス技術にも定評のあった「ノックアウト・ダイナマイト」内山高志が、井上尚弥が備える“3つの壁”を解き明かす。【初出『Sports Graphic Number』1053号(2022年6月16日発売)。年齢・肩書などはすべて当時】

井上尚弥のKO量産は「筋力によるものではない」

2023-07-23
現トレーナー・八重樫東が語る“間近で見たモンスター”の天才性

 世界3階級制覇を成し遂げ、2020年に引退した八重樫東。その豊富な知識と経験をもとに、現在はトレーナーとして、井上尚弥の肉体強化に携わる。“激闘王”が明かすモンスターの伸びしろとは?【初出『Sports Graphic Number』1053号(2022年6月16日発売)。年齢・肩書などはすべて当時】

【ボクシング】井上尚弥と因縁のカシメロ、WBOグローバル王座獲得

2023-05-14
ンギーチュバ(右)に左アッパーをヒットするカシメロ(TBプロモーション提供) © 中日スポーツ 提供
王者ンギーチュバに判定勝ち(TBプロモーション提供) © 中日スポーツ 提供

ボクシングWBOグローバル・スーパーバンタム級タイトル戦が13日、フィリピンのオカダマニラで行われ、元世界3階級制覇王者ジョンリエル・カシメロ(34)=フィリピン=が王者フィリップス・ンギーチュバ(27)=ナミビア=に12回判定3―0で勝ち王座を獲得した。6回開始直後に強烈なカウンターの左フック一撃でダウンを奪取。再開後に猛攻をかけたが仕留めきれず、終盤は攻め疲れからか手数が激減してポイントも追い上げられたが逃げ切った。

 カシメロはWBOバンタム級王者だった2019年にコロナ禍で前世界4団体統一同級王者の井上尚弥(大橋)との対戦が消滅し、以降は対戦を求め井上に挑発的な言動を繰り返した。現在はスーパーバンタム級でWBO5位など主要3団体で世界ランクに入り、同級での井上戦を目指している。

 この日の対戦相手ンギーチュバはここまで12勝(11KO)1敗と高いKO率を誇りWBO10位と世界ランクにも入る選手。ハンドスピードが速いうえにスタミナもありカシメロはてこずる場面も少なくなかったが、ダウンが効いて判定勝ちした。

 「相手がこんなに強いと思わなかった。1、2回でKOで終わらせようとしたが、相手は本当にタフでこの試合に向けてしっかり準備してきていた。次の試合はまだ決まっていないが、マネジャーから暫定か世界タイトル戦と聞いたので、これを目標にしっかり準備していきます」と、カシメロは所属するTBプロモーションを通じてコメントした。

 スーパーバンタム級は井上尚弥が7月25日に東京・有明アリーナでWBC・WBO統一王者フルトン(米国)と対戦するビッグマッチが控えている。残るWBA・IBF統一王座はタパレス(フィリピン)が保持。他には元世界2階級制覇王者ネリ(メキシコ)、前WBA・IBF統一王者アフマダリエフ(ウズベキスタン)らがおり、カシメロもその強豪たちの1人となっている。(写真は提供)

井上尚弥、最新世界ランクでWBCスーパーバンタム級1位 王者はWBO王座と2冠のフルトン

2023-02-17
 プロボクシングのWBC(世界ボクシング評議会)は16日(日本時間17日)、最新の世界ランキングを発表し、前4団体世界バンタム級王者の井上尚弥(29)=大橋=をスーパーバンタム級1位に選出した。同級の現王者は、WBO王座も保持するスティーブン・フルトン(28)=米国=。
WBOでは1月18日にスーパーバンタム級1位にランクインした。

 井上は昨年12月にポール・バトラー(英国)を11回KOで下し、バンタム級の4団体王座統一に成功。先月13日に4つのタイトルを返上し、スーパーバンタム級への転向を正式に表明した。WBOでは同18日にスーパーバンタム級1位にランクインした。

 フルトンをめぐっては、井上陣営は今春の日本での世界戦実現に向け、現在交渉中。先月末にテレビ番組の収録に参加した際、井上は「(気になるのは)やはりフルトン。そこを第一に交渉しているのではないですか」と話していた。

ドネア、井上尚弥の標的王者フルトンに助言「ボディ以外で彼を倒せない。タフな男だ」

2023-02-14
THE ANSWER -

米メディアのインタビューで2人に言及

昨年12月、世界バンタム級4団体統一の偉業を成し遂げたボクシングの井上尚弥(大橋)。今年1月にスーパーバンタム級への転向を発表し、米メディアではWBC&WBO世界同級統一王者スティーブン・フルトン(米国)と対戦の可能性が報じられている。かつて井上に2度敗れている元世界5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)は、米メディアのインタビューで2人に言及。対戦が実現した場合、条件次第では「イノウエにとって厳しい夜になる」などと語っている。

ドネアは2019年のワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)決勝で井上と対戦し、フルラウンドの死闘の末に判定負け。昨年6月の再戦では2回TKO負けしている。米専門メディア「ファイトハイプ」公式YouTubeのインタビューでは、対戦の可能性が指摘されているフルトンに「ガードを高く構えないといけない。ジャブを使って動くんだ。イノウエは速いよ。パンチも強力だ」と助言を送っていた。

井上とリングで拳を交えた経験を振り返ったドネアは「イノウエは、慎重に試合を進める時に良いボクシングをする。(井上VSドネアの)第1戦で彼は私をなぎ倒せると思っていた。序盤で倒そうと思っていたらパンチを食らった。第2戦では私にフックを当てられてから『マズい』って感じで慎重になってカウンターや頭を使うようになった」と2試合を表現。井上については慎重である時の方が実力を発揮するタイプと見ているようだ。

「彼(井上)は賢い男だ。前後に動くタイプのボクサー。左右へはあまり動かない」と分析しているドネアは、フルトンに「ジャブを使って距離を保つ必要がある。ジャブでイノウエを防げば、回り込むのは難しくなるし、彼(井上)は確信が持てる時以外はオーバーハンドを放たない。だから、フルトンは良い守備、良いジャブ、良い距離を築かなければいけない」と助言した。

さらに「それができればイノウエにとっては厳しい夜になるだろう。ボディショット以外ではイノウエを倒せないだろう。タフな男だからね」と語った。「イノウエに彼の距離で戦わせたらパワフルだ。でもバックペダルを踏ませれば力は弱まる。後ろに下がるのは彼にとって心地よくもない」とも指摘している。

一方で井上には「イノウエはただ、今までやってきたことを続けるべき。フルトンに出し抜かれるな。叩き潰すんだ。パワーを感じさせて、考えを変えさせるんだ」とアドバイスしていた。

THE ANSWER編集部

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