ひこうき
番外編 飛行機の世界
新型「エアフォース・ワン」デザイン決まる! 現行とちょっとだけ違うデザイン…
特徴的な「青」も「深みのあるもの」に
アメリカ空軍が現地時間2023年3月10日、通称「エアフォース・ワン」として知られている大統領専用機の新型機「VC-25B」の機体デザインを決定したと発表しました。
「VC-25B」は「ジャンボ・ジェット」と呼ばれたボーイング747シリーズの最終派生型「747-8」をベースにした飛行機で、現行タイプの747-200Bをベースにした「VC-25A」と置き換えられる予定です。「VC-25B」は2機体制で、1機目が2027年に、2機目が2028年に納入予定とのことです。
「VC-25B」の機体デザインは、「VC-25A」のデザインをほぼ踏襲。多くの人に「エアフォース・ワン」として知られている、白と明るい青を基調としたデザインになる予定です。一方で、「VC-25B」は、「VC-25A」と比較してさまざまな面で、デザイン上の違いがあります。
たとえば「VC-25B」に採用されるブルーは、「『VC-25A』より少し深みのあるモダンなトーン」を採用。また、「VC-25A」の一部で採用されていた、胴体に使用されているアルミ合金を研磨剤で磨きあげる「ベアメタル」を「VC-25B」では採用せず。これは「最新旅客機で採用されている素材では認可されていないため」としています。
「VC-25B」は以前トランプ政権下で導入が決定し、その際、赤、白、青の新カラーリングが採用される予定でしたが、この新デザインは、バイデン大統領に政権が変わった際に破棄。これは胴体下部の青い塗装が飛行時に熱を帯びる可能性などがあり、連邦航空局による認定試験が追加で必要となるためとされています。
【了】
国産ジェット旅客機「MSJ」の開発中止
ボーイング、最後の747をアトラスエアに引き渡し 1,574機目
ボーイングは、最後に生産されたボーイング747型機を、現地時間1月31日にアトラスエアに引き渡した。
最後に生産されたのは、貨物機のボーイング747-8F型機。セレモニーには、初代ボーイング747型機の設計や製造を担当した従業員や顧客、サプライヤーなど数千人が参加し、ウェブ中継も行われた。
ボーイングのスタンリー・ディール民間航空機部門社長兼最高経営責任者(CEO)は、「この記念すべき日は、”世界を縮めた”飛行機を世に送り出し、初のワイドボディとして旅行と航空貨物に革命をもたらしたボーイングの何世代もの従業員の証しです。この最後のボーイング747-8フレイターを、747の最大手運航会社であるアトラスエアに納入することは、まさに時宜を得たものです」と述べた。
アトラス・エア・ワールドワイドのジョン・ディートリッヒ社長兼CEOは、「この象徴的な航空機を世界中のお客様のために運航してきた長い歴史を継続できることを光栄に思います。アトラスエアーは30年以上前にボーイング747-200型機を改造した貨物機1機で設立され、以来、ボーイングの787ドリームライナー部品輸送用大型貨物機ドリームリフターを含む、ボーイング747型機のほぼすべての機種で世界各地を運航しています。ボーイングには、安全、品質、革新、環境に対する共通のコミットメントと、今後数十年にわたる航空機の運用において747プログラムの成功を確かなものにするためのパートナーシップに感謝しています」と述べた。
ボーイング747型機は、1967年に製造を開始し、1970年に初就航。これまでに1,574機が製造された。1988年にボーイング747-400型機、2005年にボーイング747-8型機を発表し、改良を重ねてきた。ボーイング747-8型機は全長76.2メートルで、現役の民間機で最長の機体。新型コロナウイルスの感染拡大や市場の需要に対応し、2020年7月にボーイング747型機の生産を2022年をもって終了すると発表していた。
アトラスエアは、ボーイング747-8F、ボーイング747-400F、ボーイング747-400LCF(ドリームリフター)などを保有する、世界最大のボーイング747型機の運航会社でもある。