大谷派の仏具
仏具について(真宗大谷派の場合)
Facebook小栗洋慶の投稿
先日の青年布教使研修会で興味深かった話。
永年ご本山の式務部にお勤めだった先生からのご指摘で、布教の時の扇と念珠について。
法式規範では、中啓と切房の半装束念珠と指定されているが、これは法式〜つまり法要儀式での規範であって、布教の場では昔から雪洞と布教用念珠を用いてきている。だからみなさんはどうぞ雪洞と布教用念珠を用い...ていただきたい…との内容。
これには驚きました。
ご本山の常例布教でも従前…私が大学の初年頃は、常例講師が布教用念珠を持ち、輪袈裟も私用を着けられる方がいたように記憶する。
いつの間にか布教使輪袈裟、中啓、半装束念珠になったように思うが、蓮如上人500回遠忌法要がきっかけだったのかなと思う。
中啓、切房半装束念珠が正式なもの〜という認識があったから、式務畑の先生がそうおっしゃったのに驚いたわけだ。
氏がおっしゃるには、そもそもご本山からの布教使の永年表彰で布教用念珠を記念として渡しているのだから、布教用念珠は正式なものであると。
これは成る程ですな。
雪洞については、以前調べたことがあって、有識故実のほうで、中啓や雪洞についてネットで見ていると、これらはどちらも檜扇の代用、略式のもののようで、中啓は男子、雪洞は女子が檜扇よりも略儀の場合に持つもののよう。
写真が見つからないが、高円宮の典子妃の写真で袿袴をお召しで雪洞をお持ちの様子を拝見したことがある。
いまネット検索で出てくるのは結婚式の模様の写真でこれらには檜扇をお持ちである。
有識というか衣紋道にお詳しいかたに聞いてみたいもの。
公家女性が檜扇の略式にもちいた雪洞が、仏家が用いるようになった由来はなんでしょうね。清少納言も若くきれいな僧侶がいいとか枕草子にあった気がするが、その昔は、そうした宮中女官から僧侶へ雪洞がプレゼントされたことがあったのかも〜 とは妄想の域を出ないな。
●法式規範
執 持 法
法要や儀式に用いる法具や経本・声明本・御文章などの持ち方、扱い方を「執持法」という。法具の名称や執持法は、次の通りである。
1 念珠(ねんじゅ)・中啓(ちゅうけい)・夏扇(なつおうぎ)
念珠は、双輪念珠と単輪念珠の二種がある。色衣・黒衣などを着用したときは双輪念珠を用い、それ以外のときは単輪念珠を用いる。法要や儀式に出仕する場合は白黒珠・白切房の双輪念珠を用い(撚房は用いない)、布教などの場合は紐房の双輪念珠を用いてもよい。持ち方は、いずれの場合も左手の親指と他の四指の間にかけ、親珠を下にして持ち、房は自然に垂らす。
中啓は、衣と袈裟を着用したとき双輪念珠とともに用いる。また、法要以外の儀式で衣と輪袈裟を着用した場合は、中啓の代わりに夏扇を用いることもある(雪洞は用いない)。
持ち方は、いずれも起立または歩行の場合は右手で要部を持ち、表を外側に向け開いた方を前方にして、先端を少し下げ、かるく腰にあてがう。正座の場合は、表を上に要部を右に向けて、ひざの前に横一文字に置く。また、腰かけた場合は右手に保持したまま、両手をひざの上に置く。
起立または腰かけた姿勢で合掌したり、または華籠などを保持するために両手を用いる場合は、表を前にして白衣のえり元にさす。
〔注〕
①念珠は、畳や床の上など歩行する場所にじかに置かない。必ず適当な敷物の上に置くか、器のなかに入れる。あるいは中啓・夏扇などを開いて、その上に置く。
②中啓や夏扇を開いて、あおがない。
③念珠や中啓・夏扇を持ったまま、手洗いなどの場所に行かない。
「持蓮華」と言います。
鏧役(キンヤク)ということ
金襴輪・鈴台
大谷派においては鈴ぶとんは使用せず、
金襴輪という丸い輪に金襴を巻き付けたものを使用します。
また、鈴を置く台を鈴台と言い、
大谷派では四角型をしたものを用います。
繰形により
①後平型(ごひらがた) ②八猪目型(やついのめがた) ③壼繰型(つぼくりがた)
とありますがすべて四角型をしております。