現代の仏師と工房
ちょっと気になる逸品の世界
江場佛像彫刻所
2021-09-10
江場仏像彫刻所・公式HP
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老山白檀(ろうざんびゃくだん)材の釈迦如来像
2022-01-19
Facebook 江場 琳觀さん曰く
《老山白檀》
現在、琳黌が手がけている老山白檀(ろうざんびゃくだん)材の釈迦如来像
仏像には、古来より香木で制作される歴史があり、
そこには、仏とよばれる尊い存在は高貴な香りであり、尊い像を制作する材もまた香木でありたいという、先人の思いを伺うことができます。
白檀はインドをはじめ東南アジアで採れる香木で、インド・マイソール地方産のものが高品質とされ、なかでも老山と言われ最上級とされるのが、老山白檀です。
ただ、残念なことに乱獲のため現在はワシントン条約により輸出が規制されており、彫刻に使える大径木は入手困難な状況が続いています。
さいわい当工房では、規制前のストックにて制作を継続している次第。その貴重さを感じずにはいられません。
香水の世界でも、その高貴な香りは珍重されており、シャネルNo.5のラストノートもサンダルウッド(=白檀)が香ると聞きます。
サンダルウッドの香りは、オリエンタル・エキゾチッックと表現される甘くスパイシーで力強い香りで、古今、珍重されてきたのもうなずけます。
ありがたいことに、そんな高貴な香りにつつまれている昨今の工房の一場面。
完成時には、あるご住職様の念持仏として厨子にお納めいたします。お姿はもちろん丹精込めたものでありますが、そっと扉を開いたときの香りもまた、豊かな体験とならんことを祈っております。