九州大谷短期大学の巻
当山と有縁(ウエン)の学校
九州大谷短期大学
発車駅の東京も知らず、横浜も覚えがない。
丹那トンネルを過ぎたところで薄目をあける。
静岡あたりで突然乗っていることに気づく。
そして名古屋の五分間停車のあたりから、窓の外を見てきょろきょろしはじめる。
この列車はどこへゆくのかとあわてだす。
もしそんな乗客がいたらみな吹き出すに決まっている。
その無知な乗客を哀れむに違いない。
三明 智彰(みはる としあき)
1954年弘前市に生まれる。早稲田大学教育学部国語国文学科卒、東京大谷専修学院卒、大谷大学大学院文学研究科真宗学専攻博士後期課程単位取得満期退学。大谷大学助教授、愛知新城大谷大学教授・社会福祉学部長、九州大谷短期大学副学長を経て、現在、同短期大学学長。明教寺前住職、量深学場主宰。
著書・論文
『歎異抄講義』上巻・下巻『願心の目覚め』『阿弥陀経講話』『親鸞の阿闍世観―苦悩と救い―』『生死と向きあう心がまえ』(以上法蔵館)。『歎異の精神―『歎異抄』聴聞記―』(東本願寺出版)、『こころを満たす智慧―『歎異抄』を読む―』(産経新聞出版)、『信心の書『歎異抄』講座』(大法輪閣)、『ほんとうの幸せー出遇いー』(量深学場叢書)、『親鸞 求道の歴程―回入と転入―』(量深学場)、「親鸞の仏道体系―如来の誓願と行信―」(日本仏教学会編『仏道の体系』平楽寺書店)、「曽我量深における法蔵菩薩論の」形成過程とその原理」(『大谷大学真宗総合研究所研究紀要』12)、「親鸞に於ける見仏性の意義」(『真宗研究』31)、「親鸞の『教行信証』における誓願一仏乗の開顕―その経文証『涅槃経』・『華厳経』の文についての一考察」(九州大谷研究紀要47)、「真の報仏土の開顕」上・下(九州大谷研究紀要48・49)等
学長が交代いたしました。
私を問うこと
私たちが生きていくなかで、つまずいたり、行き詰まったりということはできれば避けたいことです。けれども、そのつまずきや行き詰まりこそが、私を問う大切なきっかけなのだと考えてみてください。
この社会の中で、私たちはいつも今の私ではない今とは違う私を探しています。「もっと好きな私」「もっと上手くできる私」。「今の私じゃなくて、今とは違う私になりたい」と。
「今の私」には、「好きな私、上手くできる私」だけでなく、「嫌いな私、上手くできない私」も含まれています。でも同時に、そんな私を認めている存在がある。だから、今、私は生きている。「今の私」として輝いている!
この私の輝きに気づかされていく歩みが「私を問うこと」です。「今の私」のままで生きていくことのできる世界。「私のままで輝ける」世界。さあ、そんな世界を、この九州大谷短期大学で共にたずねていきましょう。
九州大谷短期大学 学長 吉元 信暁