高校編
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センバツの“静かな異変”花巻東はなぜ「地元主義」をやめたのか
菊池雄星、大谷翔平を輩出した花巻東。じつは今年から、地元主義の選手募集を全国的な募集に変更した。いまだ越境入学に批判的な声もあるなかで、花巻東が目指しているものとは? 深層に迫った。〈全2回の2回目/はじめから読む〉
「集める」というより「集まる」。
高校野球の強豪校は新しいフェーズに向かい始めている。そのことを思ったのは昨夏の甲子園であるニュースを聞いたときだ。
このセンバツで7年ぶりにベスト8に進出した花巻東が、2025年4月の入学生から選手募集の規定を改めるという。地元主義を貫いてきたところから一歩踏み出し、全国から選手を募集するということを決めた。
斎藤佑樹が明かした「高卒⇒即プロ入り」回避の真実
初の選抜高校野球が甲子園球場で行われている中、あの元高校スター選手が衝撃の事情を明かした。一大旋風を巻き起こし、社会現象にまでなった「ハンカチ王子」である。
2006年、田中将大を擁する駒大苫小牧高校との決勝戦、引き分け再試合の末に破り、早稲田実業高校を夏の甲子園初優勝に導いたエース・斎藤佑樹氏が語ったのは、高校からのプロ入りを固辞し、早稲田大学進学を決めた理由だった。
自身のYouTubeチャンネル「斎藤佑樹 野球場プロジェクト」に、駒大苫小牧の3番打者・中澤竜也氏と4番の本間篤史氏を招いて、ぶっちゃけトークを展開。
中澤「なんで早稲田大学を選んだの?」
斎藤「大学にずっと行きたかったの、高校選んだ時点で。あの甲子園の大会も、優勝候補は駒大苫小牧じゃない? 早稲田実業が優勝するって思っていた人はほとんどいなくて、あの大会でトントントンっていってプロ行くのか、どうなんだ、みたいな感じだったけど。大会前は斎藤佑樹がプロ行くって思ってた人って、そんなにいなかったと思う。だからあの大会でみんなに囃したてられて決めるよりは、もともと行こうと思っていた大学に行く方がいいだろうな、って感じ」
中澤「高校生だったら、あれだけ活躍して並みいる強打者を抑えてたら、俺いけるんじゃねぇかって思うわけじゃない?」
斎藤「(高校時は)けっこうボール球をストライク取ってもらったりしたじゃん。そこに惑わされて外のスライダーを振っちゃう、とかあったじゃん。あれがプロ行ったらビタビタになるわけじゃん。あのストライクゾーンがあって、プロにもし挑戦できるんだったら、それはやっぱりいけるかなと思うけど」
斎藤氏は2010年に早稲田大学からドラフト1位で日本ハム入団したが、思うような結果を残せず、2021年に引退。現在は自身の会社を立ち上げたほか、「news every.」(日本テレビ系)で、月曜と火曜のキャスターを担当している。
自身が芸能人並みにもてはやされた高校時代、なんとも冷静に先行きを考えていたとは…。
(所ひで/ユーチューブライター)