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時代を映す鏡

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通信途絶えた月探査機「オモテナシ」目覚まして…機器開発の町工場「我が子同然」

2022-11-22
オモテナシに搭載された通信機の模型を手にするアドニクスの小島要社長 © 読売新聞
 宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))の月探査機「オモテナシ」からの通信が16日夜から途絶えている。21日夜頃までに復旧しなければ月を通り過ぎ、日本初となる月面着陸は不可能になる。通信機や着陸技術を担った町工場などの関係者は、祈るような気持ちで回復を願っている。
読売新聞 - 17 時間前

オモテナシは縦37センチ、横24センチ、高さ11センチで世界最小の月面着陸機。米国のロケットで16日に打ち上げられた後、21~22日、月の赤道付近に降りる予定だった。

 だが、打ち上げ後、太陽電池が太陽と反対側を向いたまま、想定の8倍の速度で回転していることが判明。バッテリー電圧が低下し、通信が途絶えた。

 通信機は、社員4人の無線通信機メーカー「アドニクス」(東京都)が開発した。小型で耐久性の高い通信機の製作に定評があり、これまで100個以上をJAXAや大学などに提供してきた。米アポロ計画の月面着陸を見て宇宙に興味を持った小島要社長(63)は、「通信機は我が子同然。目を覚ましてほしい」と話す。

 今後、通信が再開して、月面に到達できたとしても、安心はできない。事前の軌道修正が十分にできていないため、着陸速度は当初の想定をはるかに上回り、強い衝撃が機体に加わることになるためだ。

 頼みの綱は、機体を衝撃から守るアルミ製の部品。金属部品メーカー「コイワイ」(神奈川県)が3Dプリンターでつくった。正六角形の微細な隙間が無数にある構造で、衝撃を吸収する。小岩井修二専務(65)は「着陸に挑戦できるよう祈るばかり。奇跡が起きてほしい」と話した。

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