本文へ移動

親鸞聖人の文及び典拠等

親鸞聖人(しんらんしょうにん)の文及び典拠等

忍終不悔

2022-12-29
仏説無量寿経 巻上「歎仏偈」
仮令身止(けりょうしんし)
諸苦毒中(しょくどくちゅう)
我行精進(がぎょうしょうじん)
忍終不悔(にんじゅふけ)
書き下し文
たとひ身を、もろもろの苦毒のなかにおくとも、
わが行精進(ぎょうしょうじん)して、忍んでついに悔いじ
仏説無量寿経 巻上「歎仏偈」
「歎仏偈」の最後に出ているおことばで、
法蔵菩薩の偉大な決意の表明です。
世自在王仏のみもとでわが身はどんな苦の中や毒の中に、おいても、一切衆生を救済せずにはいられないと
悲壮な決心をなさったところです。
無上の菩提心をおこし、一大勇猛心をもって発願された法蔵菩薩の願行のみなもとは、「忍びてついに悔いじ」という超世希有の願心によって貫かれています。
         聞思抄より
《参考》
仏説無量寿経 巻上「歎仏偈」
 浄土真宗聖典(西)13頁12行目
 真宗聖典  (東)13頁7行目
 高田聖典     18頁6行目

南無阿弥陀仏をとなふれば

2022-12-27
現世利益和讚 第四首
南無阿弥陀仏をとなふればこの世の利益(りやく)きはもなし
流転輪廻の罪きえて定業中夭(じょうごうちゅうよう)のぞこりぬ
現世利益和讚 第四首
南無阿弥陀仏を称えていると、この世で受けるご利益や楽しみは、この上もなく多いものです。
生まれ変わり死に変わりして、いつまでも車の輪のように回ってきた生死の迷いの積み重ねも、すつかりきれいに消えて、前世からの 決まった定命も災難もなく中途で若死することもなくなります。
まことに結構ずくめの現世のご利益のようですが、
念仏に生きる人は、おのずから念仏にそなわる徳がいただけるというのです。
        聞思抄より
《参考》
*定業は定まっている寿命 
 中夭は早死の意
*現世利益和讚 第四首
 この世の利益きわなく、 
 流転輪廻の罪を消し、
 命を延ばす
浄土真宗聖典(西)574頁[九九]
 真宗聖典  (東)487頁下段
 高田聖典    542頁 630頁



最後の時

2022-12-27
恵信尼書簡 第十通
それより賜(た)びて候ひし綾(あや)の小袖(こそで)をこそ、
最後の時のと思ひて持ちて候へ。
よにうれしくおぼへ候
恵信尼書簡 第十通
聖人の内室恵信尼公八十七歳のとき、京都に別れ住む御息女へのお手紙です。
この頃の恵信尼公は、作物のこと、親を亡くした孫のこと、使用人たちの病気や身のふり方など、全くお心の安まるときのない日常だったようですが、その中で一筋きっぱりと、
「わが身は極楽へただいま参り候はむずれ」と思い定め、御息女にも「かまへて御念仏申させ給ひて、極楽へまいりあはせ給ふべし」とおすすめになります。
小袖は着物のこと。
死に装束(しょうぞく)に求められたのです。
         聞思抄より
《参考》
恵信尼消息
 浄土真宗聖典(西)824頁7行目
 真宗聖典  (東)624頁4行目

発信称名光摂護

2022-12-26
文類偈(浄土文類聚抄 33句から36句)
発信称名光摂護
=ほっしんしょうみょうこうしょうご
亦獲現生無量徳
=やくぎゃくげんしょうむりょうとく
無辺難思光不断
=むへんなんじこうふだん
更無隔時処諸縁
=きょうむぎゃくじしょしょえん
書き下し文
信を発して称名すれば光摂護したまふ、
また現生に無量の徳を獲る
無辺難思の光不断にして
さらに時処諸縁を隔つることなし
文類偈(33句から36句)
信をおこし称名する、そのことが仏さまのお働き、そしてそのまま光に護られています。
利害損得のはからいのない信心や称名ですから、心が阿弥陀の世界に安住して、この世で無量の徳をいただくのです。
不断の光明はいつでも、
無辺の光明はどこでも
難思の光明はどんな縁にあっても、
私を照らし護ってくださっているのです。
        聞思抄より
《参考》
文類偈(浄土文類聚抄)
       33句~36句迄
 浄土真宗聖典(西)486頁5行目
 真宗聖典  (東)411頁5行目
 高田聖典     448頁10行目

讚阿弥陀仏偈和讚

2022-12-23
左訓に
左訓に音声(声なり)清浄勲(におう)とあります。雅楽やお経などで、宮(きゅう)商(しょう)角(かく)微(ち)羽(う)という五つの東洋音階を、使います。その中で宮と商は不協和音です。

《親鸞聖人は、阿弥陀さまのお浄土の世界では、その不協和音が調和していくと示してくださいました。自分の音も相手の音も、ぶつかり合うことなく響き合っていくということです。
そして、この世の命のご縁が尽きた時、すべてのいのちが調和していける世界をご用意くださっただけではなく、それは今の私にもはたらいてくださっています。本願寺新報.2013年7/20より》
TOPへ戻る