本文へ移動

新幹線

ここから、始まりました。

地震で廃車の新幹線 異色の「第二の人生」を歩んでいた!? 解体免れた活用先とは

2023-05-25

しかし車体の歪みや台車部品の曲がり、モーターの破損などが確認されたことから、登録抹消を意味する「廃車」扱いとなっています。当該のH5系H2編成は2014年に新造されたもので、東北・北海道新幹線での活躍は約8年という短さでした。
 
 この廃車となったH5系、実はJR北海道は全車解体せず、有効活用しようとしています。

 JR北海道 広報部によると、被災したH5系は仙台に運ばれ、そこで10両編成のうち4両(5、6、7、8号車)については、座席やカーテンなどを取り外したあと、解体済み。残った6両(1、2、3、4、9、10号車)は、北海道新幹線の車両基地である「函館新幹線総合車両所」に運ばれ、新たな6両編成として再組成し、留め置かれているそうです。

廃車となったH5系、実はJR北海道は全車解体せず、有効活用しようとしています

「6両編成のH5系」何に使われる?

 営業運転時にはあり得なかった「6両編成のH5系」が生まれた形ですが、今後どのような「第二の人生」を歩むのでしょうか。引き続きJR北海道に尋ねてみました。

――この6両編成のH5系は、今後何に使われるのでしょうか。
 
 現在、どのように活用するかを検討しており、乗務員養成や検修社員養成、訓練など、社員教育用として使用する予定です。

――再び本線上で姿を見られることはあるのでしょうか。
 
 車両基地内を低速で走行することは可能ですが、本線上の走行については、列車として必要な処置は行わないため、不可能です。
 
――今回、H5系が廃車となったことで、車両数が減少していますが、どのようにして運行本数を維持しているのでしょうか。

 運行に影響が無いよう、必要に応じて、性能など基本的な仕様が同じであるJR東日本の「E5系」を借用しています。なお代替車両の新造予定はありません。
 
※ ※ ※

 旅客用の運用から外れた後も、無駄にせずしっかりと活用される新幹線車両。短くなったH5系はあくまで非走行用ですが、もしかしたら「車両基地イベント」などでお目にかかる機会があるかもしれません。

【了】

福島県沖地震で脱線、損傷して廃車に

福島県沖地震で脱線、損傷して廃車に

 2022年3月に発生した福島県沖地震で、東北新幹線は大きな被害を受けました。福島~白石蔵王間では、車両の脱線事故が発生。脱線した列車は、JR北海道の「H5系」10両とJR東日本の「E6系」7両を連結した編成で、約半月かけて線路に戻して白石蔵王駅へ収容されました。

TOPへ戻る