ちょっといい話
向田邦子(脚本家・作家)の言葉

最初からいい文章がある訳じゃなくて
どれだけこう思えるか感じられるか
自分でこう気持ちが揺れ動くか
その氷山の下が大きければ大きいほど
自然に文章は出てくるんじゃないか
『女性手帳 わたしの抽出しの中3』(1980.10.1)NHK GTVより
今年はテレビ放送が始まって70年目、2025年には日本でラジオ放送が始まって100年となります。
この特集では、NHKアーカイブスが保存する100万本以上の映像・音声の中から、各界を代表する偉大な先人たちが残した言葉をご紹介します。
昨年に続く『偉人の言葉 Archived by NHK』シリーズ第二弾の3本で、この動画は “「好き」なことに夢中になる言葉” を集めて再構成した内容です。
この不確かで、不透明な時代に、本当の幸せとは?豊かさとは何でしょうか?
それぞれの分野で、時計の針を押し進めてきた偉人たちの生き様を、NHKが記録した言葉の中から、今回もなにかを感じてもらえればと思います。どうぞごゆっくりとご覧ください。
君の名は希望
いい人でなければ、死んでもいいの?
3日間、実習を休み続けたゆき(中井友望)の部屋に入ったバーンズ(エマ・ハワード)が特別授業。
りん(見上愛)たち6人も部屋で車座になって聴講する。
小野田(宮地雅子)がいなくなったことに(それも目の前で)耐えられなくなったと訴えるゆき。
バーンズは冷静に「いなくなったのではありません」「心臓の病により亡くなった」「受け持ったときには、すでに治らない状態だと分かっていたはず」と正す。
「小野田さんいい人で、毎日毎日仲良くなって、好きになってしまって」
「いい人でなければ、死んでもいいのですか」とバーンズ。
別にゆきはそんなことを言っているわけではない。意地悪やわあ、と言いたくなる質問である。まあ、バーンズもゆきがわかっていないとは思っていないはず。
ゆきは、ただただ好きな人を失う悲しみに耐えられないだけだ。
「この仕事は、看護婦は人を助けるだけでなく、見送る仕事でもあると。むしろ、何にもできずに見送ることの方が多い」という理想と現実のギャップをゆきは受け止められなかった。
バーンズはトメ(原嶋凛)が悲しみを表には出さずに、粛々と仕事を行っていたことを評価する。
「耐えること、つらいと思うこと。この2つは別の話です」とここは英語で。なんで英語なのか。「耐える」と「つらい」の違いが英語のほうがわかりやすいのかも?

トメは彼女の一番上の兄を看取った経験があった。そのときの悔しさから看護婦を目指した。
リンゴを配ったり、東京見物したがったり、素朴さを振りまいていたトメだが、悲しい体験をしていたのだ。ここでトメは泣く。
ほんとはトメだって泣きたいのだ。




