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逸品の世界

ちょっと気になる逸品の世界

百種接分菊(ひゃくしゅつぎわけぎく)

2023-08-29
江戸の園芸熱

百種接分菊(ひゃくしゅつぎわけぎく)

百種接分菊】とは・・・ 江戸中期・文化の末頃から、巣鴨・染井の植木屋が菊で人物鳥獣等のさまざまな形を造って見世物としたところから「観菊」が流行しました。 「百種接分菊」(歌川国芳画)は、染井の植木屋・今右衛門が、太さ二、三寸余りの一本の台木に、百種もの菊を接ぎ木して咲かもので、その技術のすばらしさは評判となりました。

歌川国芳(うたがわ・くによし) 弘化2年(1845)
 太さ1寸(約3cm)にも満たない1本の台木から伸ばした多くの枝に、接ぎ木をして100種類の菊の花を咲かせたもの。制作者は、巣鴨・染井の植木屋、今右衛門(いまえもん)で、そのすばらしさが評判となり、大勢の見物客が押し寄せた。花名を明記した短冊は100枚あるものの、菊の種類を描き分けるというより、話題性を狙ったものとの見方もある。同年に別の植木屋も手がけ、その後も何人かの植木屋によって伝えられている。いったんは廃れてしまったが、現代では2004年に浜名湖で開催された花博(しずおか国際園芸博覧会)などで再現された。(国立国会図書館蔵)

釦(いっかけ)

2023-08-28

漆器の合口や縁に金銀粉を蒔いて装飾としたもの。いっかけの語源は、金地の古名である*沃懸地より来ており、漢字は金の口ということで「釦」の字を当てる。金釦とも通称し、木杯、吸物椀、小箱、盆などに応用される。製作方法は、まず*釦漆に*石黄と樟脳を多量に混合し、適度の粘稠度にしたものを指頭で塗布する。そして程よく乾いたところで金消粉を使うこともあり、また錆止めに上にセラックのアルコール溶液を塗布する。


釦漆(いっかけうるし)

*なやしを普通より長時間行って、粘稠性が強く乾燥を早くした漆。

*釦用漆の調整や*高蒔絵漆の製造に用いられる。

川澄国治 花鋏 植木鋏

2023-08-23
華道家が好んで使う生花鋏、植木職人が好んで使う植木鋏

植木鋏や生花鋏の世界にあって、国治 (くにはる)の名前は最高ランクの鋏である。
国治親方独特の仕上げと刃角は他の職人も真似をするが、非常に難しくなかなか出来ないということである。
擦り合わせの軽い抜群の切れ味は当然だが耐久性も良く、何より切断音が良い。
国治鋏は刃先に意識を集中出来るとのことで、植木職人が「刃先に目がある」といった表現をする。
これは最高の名言である。
実際、国治親方の作った鋏を使っている造園職人や華道家などは多いが、もちろん盆栽などに好んで使う個人も少なくない。
まず関東では国治の花鋏や植木鋏は非常によく使われている。
華道の鋏は流派があって多少形状が異なる。親方はこうした形の鋏も作っているが、個々の古流の花鋏などに限らず作り手としてはオールマイティな鋏職人である。
いずれも良い物だが、本人は「自分で使って気に入った鋏を使うのが良い」とのことである。


現在、ご注文が立て込んでいるため、一次休止しております。ご了承下さい。


※ 研ぎ直し、又は修理等は、"info@meikoukai.com"までお問い合わせ下さい。


水野 半次郎

2023-08-23
六代水野半次郎と民藝

うつわの世界~こだわりと可愛らしさの小さなお皿 浜野まゆみ~

2023-08-23

このうつわの作者である浜野まゆみ氏は唐津で作品を作っているそう。古伊万里を好み、作品の生地も近いものを使っているとか。
この独特なかたちは、その昔、有田焼でやっていた、スライスした粘土板を型にあてて成形する“糸切り成形”によるもの。ちなみに、花模様はハマナス柄。陽刻(ようこく)といって、模様を浮き上がらせて彫る技法でつくられています。 
浜野まゆみ 陶芸家
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